研究概要 |
沖縄島近海の現世陸棚サンゴモ球の研磨薄片を約500枚作製して、サンゴモ遺骸群集の検討を行った。その結果、水深約50mの遺骸群集と水深約100mの遺骸群集との間には、構成種において違いは認められなかった。 以下の3つの方法で石垣島川平湾のLithiphyllum pallescens(ヒライボ)の生産量を測定した. 1.昨年度夏、アリザリンレッドSを適量入れた海水中で飼育して骨格にマーカーを入れた個体を生息場に戻した.今年度夏にそれらを回収し,切断面で枝の伸長量を読みとった.その結果、1.56mm/year(1σ=1.01)という骨格伸長量が得られた 2.昨年度夏、ヒライボの枝の先端を約5〜7mm折り,水中ボンドでアクリル板に接着した.それらをブロックに固定し,生息場に戻した.今年度夏にそれらを回収し,枝の垂直伸長量を測定した.その結果、2.59mm/year(1σ=0.86)という値が得られた. 3..2000年7月に塩ビ製容器(内寸60x40x30cm)の中に,ヒライボを14〜15個入れ,海水のpHとアルカリ度の変化より有機炭素・無機炭素生産量を見積もった.この実験は1999年夏の予察実験の結果に基づき,閉鎖系で行った. 3.その結果、7月のヒライボの有機炭素生産量は400gC/m^2/year,と算出された.また,無機炭素生産量は4.5kgCaCO_3/m^2/yearで,この値はサンゴ礁の無機炭素生産の標準的な値である4kgCaCO_3/m^2/yearを超える.
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