研究課題/領域番号 |
11640493
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石川 春樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80261551)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | HCP分子 / 異性化反応 / 高振動励起状態 / SEP分光 |
研究概要 |
本研究は、我々がこれまで行ってきたHCP分子の異性化反応を分光学的に捕らえようとする研究の発展である。当初の目的は、重水素置換が異性化反応ダイナミクスにどのような影響を与えるかを明らかにすることであったが、残念ながらDCP分子は合成が困難でDCP分子の測定にはいたっていない。重水素置換の影響については理論研究による詳細な研究が発表されており、予想された通りダイナミクスが大きく変化する結果となっている。昨年、高振動励起状態に関する国際的なワークショップに招待され、発表および討論を行った。その際に、オックスフォード大学のJacobsonとChildによってHCP分子の高振動励起状態に関する興味深い理論的予測がなされた。これまでの我々の研究は異性化状態が発生し始めるエネルギー領域を中心としていたが、この理論的研究により、実際に化学結合の性質がCHからPHに変わった領域でのHCP分子の振動ダイナミクスを研究する上での指針の一つが得られた。そこで、HCPからCPHへの異性化エネルギー障壁を超えた領域(振動エネルギーにして25000cm^<-1>以上)の測定を行ったところ、回転定数が非常に大きな振動準位を観測することができた。この結果は、先の理論的予測と一致している。これは、CPコアの回転とH原子のCPコア回りの回転運動の間の相互作用により、実効的な回転定数が増加したと考えられる。現在これらの解釈が正しいかどうかを明らかにするための実験を準備している。
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