研究課題/領域番号 |
11640523
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小林 健二 筑波大学, 化学系, 講師 (40225503)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | テルル / セレン / ジテルロキサン / 超原子価結合 / σ^*-n軌道相互作用 / オリゴマー / 大環状分子 / 分子集合体 / テルル原子 / セレン原子 / カルボキシレート / 超原子価 / 大環状化合物 / テルリド / テルロキシド / オリゴテルロキサン / カチオン |
研究概要 |
[1]オリゴテルロキサン:カチオン性ジテルロキサンAr_2Te(+)-O-Te(+)Ar_2(1)とAr_2TeOとのσ^*-n軌道間相互作用に基づく反応を見出し、超原子価Te-Oアピカル結合を主鎖の繰り返し単位とするオリゴテルロキサンAr_2Te(+)-[-O-TeAr_2-]_n-O-Te(+)Ar_2(n=1〜4)の高選択的生成法を見出した。^<125>Te NMRおよびDFT理論計算から、重合度の増加に伴い、末端Te原子のカチオン性および反応性が低下することが判った。各オリゴテルロキサンにおいて、末端Teから数えて2番目のO-Te結合が最も長い。また、種々の交差反応実験から、オリゴテルロキサンは平衡生成物として存在することが判明した。よって、オリゴテルロキサンは分子集合体と考えることができる。 [2]オリゴカルコゲノキサン:1と1および2当量のAr_2SeOとの反応を行ったところ、それぞれ対応するセレノ-ジテルロキサンAr_2Se(+)-O-TeAr_2-O-Te(+)Ar_2、および、ビス(セレノ)-ジテルロキサンAr_2Se(+)-O-TeAr_2-O-TeAr_2-O-Se(+)Ar_2を選択的に生成することが判った。本系はSe-O-Te超原子価結合を主鎖に有するオリゴマーの初めての例である。オリゴカルコゲノキサンのNMRは濃度依存性を示した。そこで^1HNMR希釈実験を行い、セレノ-ジテルロキサンを生成するための1とAr_2SeOとの会合定数を算出し、CD_3CN中-40℃でK_a=22,000M^<-1>となった。オリゴカルコゲノキサンは、オリゴテルロキサン同様、平衡生成物として存在し分子集合体と考えることができる。 [3]大環状マルチ-テルラン:1とフタレートとの反応では、超原子価Te-Oアピカル結合を連結子とする[2+2]大環状マルチ-テルランを生成した。また、テルロキシドとTf_2Oから系内で発生させたテルロニウム塩とフタレートとの反応では、[3+3]大環状マルチ-テルランを生成した。X線結晶構造解析により、両者の構造を明らかにした。本系は、超原子価Te-Oアピカル結合を連結子とする大環状化合物の初めての例である。 以上の結果から、ヘテロ原子のσ^*-n軌道間相互作用が、分子集合体構築の新規モチーフ(超分子シントン)になることを明らかにした。
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