研究課題/領域番号 |
11640528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
樋口 弘行 富山大学, 理学部, 助教授 (00165094)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | Eglinton反応条件 / 磁気異方性効果 / 酸化的クロスカップリング / ポルフィリン / 電子放出能 / チオフェン / 配向様式 / 自己会合 / ビチオフェン / クロスカップリング / 拡張共役系 / 融合体 / 電子構造 |
研究概要 |
Eglinton反応条件下、対応する末端アセチレン体の酸化的クロスカップリングにより、表題分子ポルフィリン-チオフェン融合体OEP-DHBT-OEPの合成に成功した。対称構造をもつ異性体の場合には、OEP環よりもDHBT環の末端アセチレン基の高い反応性を反映して、対応する高次拡張系OEP-(DHBT)_n-OEP(n=2-5)も同時に副生した。極めて複雑な反応混合物ではあるが、通常のシリカゲルカラムクロマトグラフィー法を繰り返すことにより、n=1に対応する表題分子とともにそれぞれの生成物に分離精製することに成功した。これらの分子構造に関する^1H NMRスペクトル測定から、OEP-Ni環からの磁気異方性効果は脱遮蔽領域に存在するTh-Hに顕著に反映するけれども、その限界は約25Åまでであることが判明した。本融合体の電子吸収スペクトルに関する検討から、DHBT環部の配向様式が両端のOEP環同士の間の電子的相互作用に大きな役割を果たしていることが明らかになった。また、電子放出能及び電子移動過程が、DHBT環の配向性及び構成数をともに反映して、パイ電子共役系の拡張の大きさによって決定されることが結論できた。 さらに、本融合体OEP-DHBT-OEPは、高濃度溶液中、DHBT環の配向様式を反映して互いに会合することが示唆された。しかしながら、この自己会合に関してはさらに詳細な検討が必要であり、その成果を基に諸物性を解析することにより両端のOEP-Ni環の分子内及び分子間での相互作用に関する詳細な解明が可能となるばかりでなく、本融合体の電子的及び電気化学的性質に及ぼす自己会合効果についても有用な情報を提供することになるであろう。
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