研究概要 |
超配位結合をもつアリール亜セレン酸として2-Alkoxycarbonylbenzeneseleninic acid類などを選び,それらのAlkoxy部分に不斉中心をもつアリール亜セレン酸を触媒としてオレフィン類の不斉エポキシ化反応を試みた。合成した不斉中心をもつセレン触媒はBis[2-(-)menthyloxycarbonylphenyl]diselenide(1),Bis[2-(R)-α-methylbenzyloxycarbonylphenyl]diselenide(2),Bis[2,6-bis(-)-menthyloxycarbonylphenyl]diselenide(3),およびBis{2-methyl-6-[α-((R)-2-phenylpropinyloxy)benzyl]phenyl}diselenide(4)などである。 これらの合成した不斉中心をもつセレン触媒は,不斉エポキシ化反応の過程で過酸化水素により対応するアリール亜セレン酸になる。セレン触媒1はオレフィン類のエポキシ化反応に使われるBis(2-nitrophenyl)diselenideにほぼ等しい活性をおっている。上記の触媒などをを用い,3置換の各種オレフィンに対して過酸化水素で不斉エポキシ化反応を行ったところ,現在までに最高36%eeの光学収率でエポキドを得ている。 なお,研究の過程でn-Alkylaryl selenoxide類の脱離反応でオルト置換基はその脱離反応に対して有利に働くことを見出した。
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