研究課題/領域番号 |
11640551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
山口 仁宏 近畿大学, 理工学部・化学科, 講師 (30200637)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 大環状クラウンエーテル / 合成 / フラーレン(C_<60>) / 土星型包接C_<60> / 土星型抱接C_<60> |
研究概要 |
現在のC_<60>に関する研究は、直接C_<60>に各種化学反応を行うものが殆どであるのに対し、本研究では、大環状クラウンエーテルでそれを包接することにより土星型抱接C_<60>を創製し、C_<60>のapical位に新たな反応性を引き出し、位置選択的官能基化を行うと言う特色がある。この土星型包接C_<60>創製のための新ホスト分子として、すでに合成法の確立した36-クラウン-4に加え、36-クラウン-4にベンゼン環を導入した新規クラウンエーテル(1)を分子設計しその合成に成功した。36-クラウン-4は4級アンモニウム塩等のホストとして有用なことを見出し、論文(Synthetic Commun.,30,849-858(2000))として報告した。しかしながら、C_<60>の包接化については種々条件を検討したが、36-クラウン-4および1ともに明確な結果が得られていない。これは、合成した2種のクラウンエーテルが非常に柔軟な構造をしているためにC_<60>を取り込むための空孔が充分に保たれない為であると考えられた。そこで1にさらに三重結合を導入したクラウンエーテル(2)を分子設計しその合成を行った。2の合成においては、最終段階にエーテル結合を形成するこれまでの合成法からベンゼン環部と三重結合を結合する方法に変えることにより収率の向上に成功した。合成した2のC_<60>の包接化は、電子スペクトルの測定で反応をモニターすることにより、トルエン中両者を約1時間加熱還流することにより進行することが明らかとなった。しかも、Jobプロットの結果1:1で包接化していることも明らかとなった。ここに、土星型包接C_<60>の創製に成功したので、現在、論文("Synthesis of Supermacrocycles and its Saturn-type Supramolecular Entity with C_<60>")として、J.Am.Chem.Soc.に投稿準備中である。
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