研究課題/領域番号 |
11640552
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
|
研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
山田 隆己 甲南大学, 理学部, 教授 (00068123)
|
研究分担者 |
柳原 良二 甲南大学, 理学部, 講師 (50278793)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | α,α-二置換グリシン / α,α-ジフェニルグリシン / アミノフルオレンカルボン酸 / α,α-ジ(2-ピリジル)グリシン / X線結晶構造解析 / コンホメーション / 錯体形成 / 機能性ペプチド / Ugi反応 / 蛍光スペクトル |
研究概要 |
本研究では、側鎖が大変込み合っているα,α-二置換グリシンがそれを含むペプチド骨格の自由度を減少させ二次構造を安定化させることを利用して、機能性オリゴペプチドを開発しようとした。そのために、新規α,α-二置換グリシンを含むペプチドの合成、構造および機能に関して検討した。 1.テトラペプチド(Trp-Aib-Gly-Leu-NHAr)を合成し、両端の芳香環による第四級アンモニウムの捕捉を検討した結果、これはAibの立体効果と分子内水素結合によりβ-ターン構造をとり、そのため両端の芳香環が近接し、両者間にアンモニウムを捕捉した錯形成をしていることが分った。これは小さなテトラペプチドをホストとしたカチオン-π相互作用によるゲスト分子の捕捉の初めての例である。 2.α,α-ジフェニルグリシン(Dph)を含むペンタペプチド(Z-AA_1-AA_1-Dph-AA_3-AA_3-OMe)およびヘキサペプチド(Z-AA_1-Dph-AA_3-AA_1-Dph-AA_3-OMe)を合成した。ペンタペプチドのX線結晶構造解析からAA_1がAibの場合にはAA_3がGly、Aibのいずれでも3_<10>ヘリックスをとっており、NMF解析から溶液状態でも同様のコンホメーションをとっていると分かった。また、ヘキサペプチドとドデシルピリジニウム塩との錯形成を検討し、両者が1:1の錯体を形成することが分かった。 3.新規な9-アミノフルオレン-9-カルボン酸(Afc)を含むペプチドをUgi反応を用いて、トリペプチド(Z-AA_1-Afc-AA_3-OMe)およびヘキサペプチド(Z-AA_1-Afc-AA_3-AA_1-Afc-AA_3-OMe)を合成した。ヘキサペプチドとドデシルピリジニウム塩との錯形成はやや安定性は低いものの、両者が1:1の錯体を形成することが分かった。ペプチドの構造と蛍光スペクトルとの関係も検討した。 4.側鎖に2個のピリジン環をもつ新規なα,α-ジ(2-ピリジル)グリシン(2Dpy)を含むトリペプチド(Z-AA_1-2Dpy-AA_3-OMe)を初めて合成した。NMRにより、2個のピリジン環の窒素原子がそれぞれアミドNHと分子内水素結合をした新規なコンホメーションをとっていることが分かった。このペプチドは過塩素酸銅と容易に2:1錯体の結晶を与え、X線解析により結晶構造が明らかになった。
|