研究課題/領域番号 |
11640567
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
桶矢 成智 和歌山大学, システム工学部, 教授 (00031815)
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研究分担者 |
神田 和香子 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (50169794)
橋本 正人 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (50237947)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 5配位錯体 / トランス効果 / シス効果 / カルボニル炭素 / 求核付加反応 / C-H結合活性化 / 白金(II)錯体 / シッフ塩基錯体 / ハライドイオン / シッフ塩基 / 求核付加 / 中間体 / 置換反応 / 反応機構 / シック塩基錯体 |
研究概要 |
歪んだ四角錐型構造をもつ5配位錯体、[PtX(hfac)_2]^-(X ; Cl^-,Br^-,I^-,hfac;ヘキサフルオロアセチルアセトネート)は溶液中で速い配位サイト交換運動を行なう。温度NMRから、アピカル位のO-ドナーがXに対してシス位のO-ドナーを置換する運動と、トランス位のO-ドナーを置換する運動が独立して起こっていることがわかった。ハロゲン化物イオンごとに速度比較すると、シス効果とトランス効果の序列がわかる。Gaussian 98を用いてB3LYP/3-21レベルのab intio MO計算を行なった。得られた各運動の活性化自由エネルギーより、シス効果の序列、Cl>Br>Iと、トランス効果の序列、I>Br>Clが確認され、実験結果との一致をみた。シス効果については今回初めて詳しく研究されたものである。N-、C-およびO-ドナーを持つ類似の5配位錯体の合成には失敗したが、hfacのカルボニル炭素にこれらが付加した珍しい構造の錯体が得られた。N-ドナーが付加した錯体は、カルボニル化合物と一級アミンからイミンができる反応の四面体型中間体の初めてのモデルであり、シッフ塩基錯体に変化する。また、条件によっては、一旦解離して金属を襲い、置換反応を起こす。また、有機溶媒のC-HやO-Hを活性化して、これらの共役塩基が付加した錯体を与える。C-ドナーの付加によってできるC-C結合は不安定で、容易に開裂したり、他の塩基と置換したりする。このように、弱いC-C結合は大変珍しく、今後どのように応用するかを考えていきたい。
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