研究課題/領域番号 |
11640583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
比嘉 充 山口大学, 工学部, 助教授 (30241251)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 温度応答性 / イオン / 輸送 / ベクトル / 制御 / 膜 |
研究概要 |
ポリビニルアルコール(PVA)にN-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)をグラフト重合したポリマーと高分子アニオンのポリマーブレンド溶液をキャスト製膜後、熱処理及びグルタルアルデヒドで架橋することにより温度応答性荷電膜を作製した。この膜にパルス状の温度変化を与えて膜荷電密度変化を測定すると、10℃から50℃への昇温サイクルにおいて荷電密度は0.07mol/dm^3から0.26mol/dm^3へ1分以内に変化し、この変化は実験を繰り返してもほぼ同じ挙動を示した。これはこの膜が高速で可逆的な温度応答性を有することを示している。この温度応答性荷電膜を2つのセルに挟み、片側セルに3.0×10^<-3>M KClと5.0×10^<-4>M CaCl_2、もう一方にその10倍濃度の混合電解質溶液を入れた系においてCa^<2+>イオン濃度だけがその初期濃度の±10%の変位でノコギリ波状に振動するように系の温度を変化させた。その結果、K^+イオン濃度は単調に増加し、このイオンの輸送ベクトルは温度に依存しない。一方Ca^<2+>イオン濃度は予測通りに初期濃度の±10%の変位でノコギリ波状に振動した。これは高温時にCa^<2+>イオンがその濃度勾配に逆らって輸送され、低温時に、このイオンが高濃度側から低濃度側に拡散するからである。このことはこの膜がCa^<2+>イオンの輸送ベクトルだけを温度制御可能であることを示している。今回はCa^<2+>イオン濃度をノコギリ波状に振動させたが、この膜を用いれば応答度の範囲内でこのイオン濃度の時間変化を任意の形に変調することが可能である。
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