研究課題/領域番号 |
11640593
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 山口東京理科大学 |
研究代表者 |
井口 眞 山口東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (80291821)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 分子性伝導体 / 相転移 / 温度-圧力相図 / 電気伝導性 / 磁性 / 圧力効果 / Ni(dmit)_2塩 / ビラジカル / nitronyl nitroxide / 電気伝導体 / 電気抵抗 / 高圧 / α-Et_2Me_2N[Ni(dmit)_2]_2 / BEDT-TTF / パラジウムオキサラト錯体 / 磁化率 / 反射スペクトル / 温度依存性 |
研究概要 |
金属元素を含む分子性結晶について、良質の単結晶を作成し、電気的、磁気的、光学的物性測定を温度-圧力-磁場の条件を変えて行い、伝導性と磁性の機構を解明することを目的に研究を行った。 1.α-Et_2Me_2N[Ni(dmit)_2]_2の相転移に対する圧力効果 α-Et_2Me_2N[Ni(dmit)_2]_2は、低温まで金属的特性を示し、250KでEt_2Me_2N^+のorder-disorder相転移を起こす。この構造相転移の変化は激しく、温度や圧力の急な変化には、結晶に割れが生じ、端子がはずれて、電気抵抗の測定が困難になる。この問題を解決するために、温度変化を極めてゆっくり行い、4端子の金線を接着力の強い銀エポキシで付け、回転式微量油圧ポンプで結晶に圧力を徐々にかけた。これによって、低温、圧力下での一連の電気抵抗の測定に成功し、相図を作成した。その結果、250Kの相転移温度は、加圧によって徐々に上昇し、0.11〜0.19GPaで室温に達することが明らかとなった。その割合は、0.1GPa当たり約20Kである。また、この相転移は250Kで磁化率の変化として観測される。今後、SQUID磁束計用に設計、製作した圧力セルを用いて、磁化率に対する圧力効果を調べ、電気抵抗の結果と合わせて、相図をより詳細に決定する予定である。 2.(BEDT-TTF)_x[Pd(ox)_2](ox=oxalate : C_2O_4^<2->) BEDT-TTFとK_2[Pd(ox)_2]の電解合成法から板状結晶が得られた。赤外反射スペクトルは、結晶面内の異方性が小さいことを示している。電気抵抗と磁化率のいずれにも220K付近に急激な変化が観測された。 3.2,6-pyridine-bis(nitronyl nitroxide)とZn, Cu錯体 ビラジカル2,6-pyridine-bis(nitronyl nitroxide)を合成し、磁性を調べた。磁化率_<x-p>Tは、10K付近で停留点を示した後、徐々に上昇するが、380Kでも0.70emu k mol^<-1>であり、大きな反強磁性相互作用が働いていることを示唆している。このビラジカルとCuCl_2またはZnCl_2の錯体の合成を試みている。
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