研究課題/領域番号 |
11640635
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
野間口 真太郎 佐賀大学, 農学部, 助教授 (80253590)
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研究分担者 |
フィリッピ リサ 佐賀医科大学, 医学部, 外国人教師 (80295055)
沢辺 京子 産業医科大学, 医学部, 助手 (10215923)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | メタ個体群 / 保育行動 / ツチカメムシ / 給飼行動 / 移動分散 / 遺伝解析 / 九州地区 / ボロボロノキ / メタ固体群 / 九州 |
研究概要 |
(1)ベニツチカメムシのメタ個体群の内部動態の調査 1999年から2001年までの3年間、佐賀県神崎郡日の隈山に約100x60mの調査区を設置し、メタ個体群の内部動態を調べた。4月初旬、6月、10月の3回に渡って調査し、メタ個体群内の分集団の個体密度の変化を調べた。その結果、越冬集団の中で繁殖を翌年に延ばす休眠個体が存在し、その割合は集団によって異なっていた。また、休眠集団に付け加わる新成虫の数は、寄主木の実の生産量に依存して変化した。我々は、集団の密度を変化させる外的要因のいくつかを特定した。また、越冬集団の中で繁殖しない個体の割合が大きい分集団では移出・移入は少ないが、翌年にそのような個体が繁殖するため、周辺分集団への移動のソースとなることがわかった。 (2)メタ個体群内外の移動の調査 3年間、大きな分集団の個体にマークし、移動の様子を観察した。配偶時期に雄がよく分散し、短い距離を移動することがわかった。雌は、交尾後、摂食のために寄主木へ移動した。雌はさらにその寄主木の周辺で営巣し、産卵し、子の保育を行った。子が独立すると寄主木に集合するため、寄主木集団群内では、この時期に遣伝的ミックスが起こることがわかった。個体群からの飛び出しを観察するために、日の隈山周辺の街灯を定点トラップとして毎晩見回り、移動中に誘引された個体を捕獲した。捕獲個体のほとんどは交尾後の雌であった。生息地間の長距離移動は雌によって行われ、これが地域集団間の遣伝子流動をになっていると思われた。 (3)メタ個体群間の遺伝的差異の分析 日の隈山、金立、武雄、久留米、熊本、諌早、佐世保、大村の個体群より成虫を採集し、PCR法およびシークエンシング法による遺伝分析を行った。市販および自ら作成したプライマーを用いて、rRNAのITS領域とmDNAのCO1領域を増幅し、塩基配列を解読し比較した。その結果、rRNAのITS領域において日の隈、武雄、久留米の3個体群間で大きな変異が検出され、距離と変異量に相関が認められた。2001年3月末の生態学会48回大会でこの結果を報告した。さらに、延岡市、鹿児島県、熊本県の別個体群より成虫を採集し、同様に遺伝分析を行った。現在、九州各地域の個体群間の遺伝的な違いを比較検討すべく、解析を進めている。
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