研究課題/領域番号 |
11640681
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
市川 敏夫 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (50136420)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | カイコガ / 神経分泌細胞 / ペプチドホルモン / スパイク / 同期 / ウルトラディアンリズム / オシレーダ / ゆらぎ / カップリング / スパイク同期 / 相関 / 多振動体 / 同期的発火 / ギャップ結合 / モジュール / 麻酔 |
研究概要 |
カイコガの性フェロモン生合成活性化神経ペプチド(PBAN)を分泌する神経分泌細胞とインスリン様ホルモン(ボンビキシン)を分泌する神経分泌細胞の発火活動を数日間にわたって記録し、そのパターンを解析した。PBAN分泌細胞のスパイク様の活動電位は単独の細胞が発するスパイクではなく、30ミリ秒以内に同期して発火する複数細胞のスパイクが重畳した複合電位であった。片側5個の分泌細胞は同期的発火に同じ確率で参加するのではなく、参加確率が90%の細胞から40%の細胞まであり、PBAN分泌神経細胞群はヘテロな集団であることが分かった。また、温度を変えた実験やギャップ結合阻害剤を用いた実験から、脳の中枢のトリガー信号によって片側の2個以上の細胞に発火が同時に開始され、細胞間カップリングよって細胞群全体に発火活動が広がることが示唆された。 各ボンビキシン分泌細胞は活動周期が数十分のウルトラディアンオシレーターであるが、各細胞間には明らかなスパイク同期が見られ、ボンビキシン分泌細胞群は互い作用を及ぼし合う、"weakly coupled multi-oscillator system"を形成していることが分った。この実験的に求めたボンビキシン分泌細胞の活動パターンとボンビキシン血中濃度の減少曲線を用いて、ボンビキシンの血中濃度を推定したところ、分泌細胞の活動に伴いボンビキシンの血中濃度もかなりのゆらいでいることが分った。多くのホルモンでその血中濃度がゆらいでいることが知られているが、ボンビキシン濃度のゆらぎは標的器官のボンビキシン受容体の脱感作が抑制されてボンビキシンが効果的に働くのに役だっていると考えられた。
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