| 研究課題/領域番号 |
11640689
|
|---|
| 研究種目 |
基盤研究(C)
|
| 配分区分 | 補助金 |
|---|
| 応募区分 | 一般 |
|---|
| 研究分野 |
系統・分類
|
|---|
| 研究機関 | 石巻専修大学 |
|---|
研究代表者 |
根本 智行 石巻専修大学, 理工学部, 助教授 (50228293)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
| 研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
| 配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
|
|---|
| キーワード | マメ科 / ヌスビトハギ連 / インゲンマメ連 / 花 / 果実 / 解剖学 / 形態学 / 分類学 |
|---|
| 研究概要 |
マメ科植物のヌスビトハギ連の生殖器官である花と果実の進化傾向を探るため、外群を含めて、形態学的および解剖学的研究を行った。
花の形態では、ヌスビトハギ連の外群であるKennediinae亜連のKennedia属とHardenbergia属の花の構造を調べた。その結果、両属とも雄ずいの内面基部に花内蜜腺をもち、ヌスビトハギ連で見られる2つの花部構造、すなわち、「単純型」と「破裂型」のうち、「単純型」と一致していることがわかった。したがって、「単純型」が原始形質であると判明した。さらに、ヌスビトハギ連で花部形態の分類形質としての有用性を調べ、特にがくと花弁の形態に有用性を認めた。また、この過程でハギ属の一新種(Lespedeza hisauchii T.Nemoto ＆ H.Ohashi)を識別した。
果実の果皮構造については、外群のインゲンマメ連Kennediinae亜連およびErythrininae亜連との比較を行った。その結果、2つの亜連はいずれも内表皮のすぐ内側と外表皮のすぐ内側に厚壁組織層をもち、両者を構成する厚壁細胞は果実の長軸に対して斜めで、しかも互いに交差する方向に配列しており、ヌスビトハギ連の一般的果皮構造とは明らかに異なっていた。したがって、ヌスビトハギ連の一般的果皮構造は、この連がインゲンマメ連より分岐する際に派生したものと推察された。
さらに、得られた解剖学的形質を分子系統樹上に配置した。その結果、クレードによって果実の解剖学的形質の進化傾向が異なっていることが判明した。また、これらのクレードは花部構造ともよく一致しており、より原始的な「単純型」の花部構造をもつクレードでみられる果実構造がより原始的である可能性が示唆された。このことから、節構造は厚壁組織が連続的に配列するタイプから柔組織が介在するタイプへと進化したことが推察された。
|
