研究課題/領域番号 |
11640701
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
田村 実 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20227292)
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研究分担者 |
植松 千代美 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30232789)
片山 寛則 神戸大学, 農学部, 助手 (50294202)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | matK遺伝子 / rbcL遺伝子 / 分子系統 / 単子葉植物 / ユリ科 / チシマゼキショウ科 / スズラン科 / 染色体 / シュロソウ科 / キンコウカ科 / ショウブ科 / 核型 |
研究概要 |
本研究では、まず、葉緑体matK遺伝子の塩基配列に基いて構築した単子葉植物の分子系統樹が、葉緑体rbcL遺伝子の塩基配列に基いた従来の分子系統樹より、特に単子葉植物の初期進化に関して解像度が高いことを見出した。次に、matK遺伝子とrbcL遺伝子の両方の塩基配列を解析することによって、現段階で出版されている単子葉植物の分子系統樹の中で私の知る限り初期進化に関して最も解像度が高い分子系統樹を構築した。その結果、ユリ科は、1つのまとまった系統ではなく、ユリ目、クサスギカズラ目、チシマゼキショウ科、キンコウカ科、サクライソウ類の少なくとも5つの系統に分割されることが判明した。さらに、単子葉植物は、ショウブ目、オモダカ目グループ(チシマゼキショウ科を含む)、サクライソウ類、ヤマノイモ目グループ(キンコウカ科を含む)、ユリ目、クサスギカズラ目、ツユクサ目グループの順序で分化したことがはっきりした。そして、分子情報に基づいた単子葉植物の新しい分類体系の大枠を築いた。 次に、単子葉植物の中で形態的に最も原始的な科の1つで、単子葉植物の祖先形を推定する際に重要と考えられるチシマゼキショウ科の系統分類を再検討した。その結果、チシマゼキショウ科の中で唯一心皮がよく合着しているIsidrogalvia属はキンコウカ科に移すのが妥当で、それまでチシマゼキショウ科を特徴付けていた副萼はチシマゼキショウ科とキンコウカ科で平行進化の結果生じたと推定できた。また、チシマゼキショウ科では例外なく心皮の合着が緩いことが判明し、この科の単子葉植物における形態的原始性が強調された。 さらに、単子葉植物の中でも最も系統分類が混乱しているグループの1つで、染色体形質の多様化が極めて進んでいるスズラン科(クサスギカズラ目)とその近縁科の科間、属間、種間の系統関係を明らかにし、それらの染色体数や核型の多様化の道筋を推定した。
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