研究課題/領域番号 |
11650001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
真下 正夫 弘前大学, 理工学部, 教授 (30292139)
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研究分担者 |
佐々木 正洋 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (80282333)
小豆畑 敬 弘前大学, 理工学部, 助手 (20277867)
鈴木 裕史 弘前大学, 理工学部, 助教授 (50236022)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 分子線エピタキシー / 量子構造 / 化合物半導体 / 光・電子半導体デバイス / エピタキシャル成長機構 / InAs / GaAsヘテロ構造 / InGaAs / In再蒸発 / 半導体 / 光電子半導体デバイス / 昇華 |
研究概要 |
GaAs層の上にGaAsドットを形成し、特定範囲のAs_4フラックスを照射すると平滑表面を維持しながら昇華し、しかもGaAsドットに覆われた部分はその形状を保ったまま残り、柱状結晶が得られることが研究代表者によって見出された。また、AlGaAs/GaAs超格子の上にGaAsドットを形成して昇華実験を行っても同様の結果が得られた。その後、比較的低温で昇華実験ができるInGaAs系で基礎的検討を始めた。 本研究では最も基本的な構造としてInAs/GaAsヘテロ構造を取り上げ、GaAs基板上にGaAs/InAs/GaAs量子構造を作製することを試みた。GaAs(001)面では格子不整合のため三次元成長になるが、比較的早く緩和が進み二次元成長するといわれているGaAs(111)A面上でInAsを成長した。GaAs(111)A面上のInAsにおいては、電気的特性は報告されているが、光学的特性はまだ報告例がない。本研究ではGaAs/InAs/GaAs(111)A量子井戸構造を作製し、低温(10K)でのフォトルミネッセンス(PL)測定により評価した。InAs井戸層が1.5ML,3ML,6MLに対してそれぞれ1.45eV,1.41eV,1.36eVにPLピークが観察された。ただし、InAs層が厚くなるとInAsの結晶性の劣化のためPL強度は減少した。これまで、GaAs/InAs/GaAs量子井戸構造のInAs井戸層からのPL発光は観察例がなく、本研究により初めて観察され、InAs膜が高品質であることが証明された。 InGaAsのMBEにおいて、格子不整合系InGaAs/GaAsでは、InGaAsの歪みが大きいほどInの再蒸発の活性化エネルギーE_<re>は小さくなる。また、E_<re>に対する表面のInと飛来Gaとの置換による表面偏析効果の影響は無視できる程度に小さい。格子整合系InGaAs/InPにおいては、格子不整合系に比べてInの取り込まれ率は大きい。すなわち、InのInGaAsへの取り込まれ率は歪みが大きくなると減少する。特に圧縮応力は引張り応力よりInの取り込まれ率を減少させる効果が大きい。 InGaAsの歪みが成長中の原子の表面過程を変化させ、Inの再蒸発に影響していると考えられる。
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