研究課題/領域番号 |
11650014
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
船戸 充 京大, 工学(系)研究科, 助手 (70240827)
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研究分担者 |
藤田 静雄 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20135536)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 表面エネルギー / 半導体へテロ構造 / 不整合 / GaN / GaAs / 結晶構造 |
研究概要 |
本研究は、GaAs基板上に成長したGaNの成長特性の解明を通じて、"格子不整合"かつ"結晶構造不整合"ヘテロ構造の作製に対する、基板表面エネルギーの効果を検証することを目的としている。得られた結果を列挙する。 1.GaAs(001)基板に直接GaNを成長すると立方晶層が得られた。これに対して、GaAs基板表面に20nmのAlAsを形成し表面エネルギーに変調を加えると、GaNの結晶構造は六方晶になることがわかった。 2.AlAs層の膜厚を1分子層から20nmの範囲で変化させた。1分子層の場合、結晶構造は立方晶が支配的であったが、GaAs上直接成長と比べてその配向性は弱まり、既に六方晶への移行が始まっていることが示唆された。極わずかな表面エネルギーの変化が、結晶構造に強い影響を持っていることを示している。また、膜厚を増加させるに従い、六方晶性は強まり、10nmのときに完全な六方晶が形成された。 3.以上の結果の原因としては、GaAsよりも表面エネルギーの大きなAlAsを形成すると、そのエネルギー損を埋め合わせるように結晶構造が安定な構造(GaNの場合は六方晶)に近づくのではないかと考えた。 4.GaAs基板上の六方晶GaNからの発光をはじめて観測した。 本年度の研究では、表面エネルギー変調によって、結晶構造不整合を制御できる可能性があることを示した。今後の課題としては、AlAs層に代えてAlN層を表面エネルギー変調層として用いること、あるいは、傾斜基板を用いることなどが考えられる。
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