研究課題/領域番号 |
11650015
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
植田 千秋 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50176591)
|
研究分担者 |
大高 理 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40213748)
武居 文彦 大阪大学, 大学院・理学研究科, 名誉教授 (60005981)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | SiOガラス / 不均比反応 / シリコン結晶 / 核発生機構 / 磁化率 / 不均化反応 / 反磁性異方性 / ケイ酸塩 / 電子分布 / シリコンナノクリスタル / 熱分解 / 超微粒子 / シリコン / SiO / 反応速度 / 一酸化硅素 |
研究概要 |
本研究では常温で準安定なSiOガラスが、温度・圧力などの外的な作用でSiとSiO_2に分解する過程において、シリコン相の生成過程が分解反応をに重要な情報をもたらすという仮定のもとに研究を進めた。第一段階として加熱過程におけるSiOガラスの分解過程を900℃-1400℃の高温からの急冷試料について調べた。その結果SiOガラスの分解は、(1)2SiO(amorphous)→Si(crystal)+SiO_2(amorphous)、(2)SiO_2(amorphous)→SiO_2(crystobalite)、の2段階で進行することが確認された。900℃から1400℃の範囲では(1)の反応が主として進行する。一方1400℃以上では(2)の過程が主要なものとなる。高分解能・電子線回折の結果、Si結晶の析出形態はアニール温度により変化することが明らかとなった。また反応の熱化学的分析が、温度および反応時間をパラメータとした測定から進められた。即ち高温からの上記急冷生成物について、X線回折を実施し、その結果としてSi結晶生成に伴う反応熱は82.2kJ/molと推定された。上記測定と並行して出発物質の評価が多角的な手法で検証された。すなわち室温から800℃までの磁化率測定の結果、室温での反磁性状態は高温に至るまで磁化率としては変化しなかった。X線回折によりアモルファス状態であることが確認された。また赤外線分析の結果Si-O結合の状態が評価された。SiO分解過程の解明を進めるに当たって、Si-OおよびSi-Si間の結合状態を電子空間分布の異方性から直接評価する手法が確立されることが望ましい。この目的のため、無機酸化物の微弱な反磁性異方性を検出するシステムを開発した。この結果を石英における電子分布の温度変化データと比較することにより、反磁性異方性と電子分布の対応を直接得ることが出来る。今回開発した測定法により、高温におけるSiOの分解過程を、電子空間分布から直接解明する展望が得られた。達成された熱分解反応および磁気的性質に対する解析によりSi結晶の核形成過程を原子レベルで解析する基盤が整った。
|