研究課題/領域番号 |
11650017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鄒 徳春 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (90304831)
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研究分担者 |
藤田 克彦 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (20281644)
筒井 哲夫 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (40037982)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 層状ペロブスカイト / 励起子吸収 / 有機アミン / Pbl2 / 逐次蒸着 / 共蒸着 / 吸収スペクトル / 量子効率 / PbI2 / 発光スペクトル / PbI_2 / 湿度 |
研究概要 |
本研究の目的は層状ペロブスカイト化合物の自己組織性を用いた有機/無機超格子構造の形成過程及びそれに影響を及ぼす因子を明らかにすることである。 本研究室に既存の汎用真空蒸着装置をペロブスカイト化合物を形成するための蒸着と物性を測定する為の計測ができるように改良し、より制御された環境の中で製膜及び物性評価が行えるようにした。そして、標準物質を用いた層状ペロブスカイト化合物の形成過程を調べた まず、湿度が層状ペロブスカイト化合物の形成過程に対して大きな影響を及ぼしていることを明らかにした。また、共蒸着と逐次蒸着のそれぞれのケースにおける湿度の影響の大きさを定量的に調べた結果からは湿気(水)の役割が主に有機アミンのPbl2層への拡散を促進することであることも分かった。更に、様々な湿度にけるペロブスカイト化合物の成長の様子を長時間にわたって追跡してみた結果、どんなに有機アミンを過量にしても最終的にはPbl2が過量となってペロブスカイト化合物相と共存していることが推測される。 有機と無機化合物のモル比を変えて製膜した場合、Pbl2(ヨウ化鉛)とPhEl(ヨウ素酸フェネチルアミン)のモル比が1:3の条件下の膜質と光学特性が一番よいことが分かった。これは膜を形成している過程では、ヨウ化鉛が固定相となり、ヨウ素酸フェネチルアミンが拡散移動して層状ペロブスカイト化合物を形成していることを示唆するものでる。また、わずか200Kあまりの温度変化で量子効率が数十倍も変わることが分かった、これは、膜中に多量のヨウ化鉛が存在し、励起子の無輻射失活中心となっていることを示すものである。更に、層状ペロブスカイト化合物を発光層として組み込んだ有機電界発光素子から室温でも明るい発光が観測された。これは、層状ペロブスカイト化合物が使った室温で動作する機能デバイスの実現が十分可能であることを示すものであり、更に発展していく価値が大きい。
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