研究課題/領域番号 |
11650018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉武 剛 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (40284541)
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研究分担者 |
永山 邦仁 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20040446)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | Fe / Silicide / スパッタリング法 / Ablation / 積層膜 / ドロップレット / ベータ鉄シリサイド / 半導体 / 人工格子 / スピン依存散乱 / 強磁性交換結合 |
研究概要 |
強磁性金属/半導体人工格子では、強磁性金属/非磁性金属人工格子の巨大磁気抵抗効果の主な原因と考えられている磁化の平行・反平行状態をレーザー光などの熱源を用いてスイッチングできる可能性がある。すなわち、半導体は金属に比べてキャリアー濃度の制御が容易であり、例えば人工格子中の半導体を光あるいは熱的に励起した場合、キャリアーを介して人工格子の磁性に変化が生じることが期待される。我々は、(半導体)/(強磁性金属)人工格子膜の半導体層としてβ-FeSi_2をに着目した。人工格子膜の作製では、層間の原子の拡散を防ぐ必要があるため、各層を低温成長する必要がある。しかし、β-FeSi_2は低温での成長が困難であることがしられている。そこで、我々は高エネルギー粒子付着であるレーザーアブレーション(PLD)法とRFマグネトロンスパッタリング(RFMS)法を用いてβ-FeSi_2の低温成長を試みた。 レーザーアブレーション法では、格子はかなりひずんでいるものの、室温からβ-FeSi_2が成長し、100℃以上で吸収端を示す半導体膜が生成することがわかった。しかし、それと同時にPLD法では直径1-10μmのドロップレットと呼ばれる粒が多量に付着し、膜の積層化の障害となることがわかった。そこで、羽型回転速度フィルターを設計・作製して、ドロップレットの捕捉を試みた。フィルターの回転数に対するドロップレットの堆積具合の変化を生成膜のSEM観察により観察し、粒径別の速度分布を調べた。その結果、ドロップレットは小さいものほどその数は多く速度は大きいことが分かった。その速度は高々100m/sで通常のアブレーション粒子に比べて1-2桁小さく、速度フィルターにより完全に捕捉できることがわかった。スパッタリング法では吸収端を示すβ-FeSi_2をas-growthすることが出来なかったので積層膜への応用は断念した。レーザーアブレーション法を用いてFe/β-FeSi_2/Fe積層膜を作製しているが、まだ反強磁性結合を示す膜を得るには至っていない。β-FeSi_2層の膜厚を詳細に変化させて調べる必要があり、今後継続して研究を行っていく。
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