研究課題/領域番号 |
11650024
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
梅津 郁朗 甲南大学, 理学部, 助教授 (30203582)
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研究分担者 |
山田 由佳 松下電産, 技師
吉田 岳人 松下電産, 主任技師
杉村 陽 甲南大学, 理学部, 教授 (30278791)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | ナノ結晶 / シリコン / レーザーアブレーション / フォトルミネッセンス / 非輻射遷移 / 非発光過程 |
研究概要 |
筆者らはナノ結晶中での非輻射再結合過程を追求し発光過程を明らかにすべく研究をすすめている。その中でもレーザーアブレーション法で作製されたナノ結晶は有望な材料系でこの材料を中心として研究を行った。またナノサイズのシリコンとの比較としてSiOx中のナノサイズシリコン、SiH2が豊富な非晶質シリコンに関して、ナノサイズ半導体との比較としてInAs量子ドットに関して発光過程の比較を行った。レーザーアブレーション法で作製された試料において励起光エネルギーを変化させたところ発光エネルギーが17eVから2.0eVまで変化した。従来この発光エネルギーの変化は量子サイズ効果の変化ととらえられることが多かったがこの研究で1.7eVと2.0eVの成分の合成として変化しているように見えることがわかった。SiOx系に関しても1.7eV付近に同様な発光が得られたことから1.7eV付近の発光はSiOxに関係したものであると考えられる。 筆者らはこの系の発光が大きい理由をSiOx系、非晶質シリコン系の発光の温度依存性を比較検討することによって明らかにした。筆者らの作製したSiOx膜、a-Si : Hは均質でなくSiOx膜はSi相とSi02相に分離しa-Si : Hは多量のSiH2ボンドが含まれていることが特徴である。したがってこれらのSiOx膜、a-Si : H膜はバンドギャップの大きなSiO2相やSiH2ボンドの存在によって大きなバンドギャップ揺動がある系であるといえる。発光の温度依存性を綿密に測定したところ、このバンドギャップ揺動によって非発光中心への遷移が妨げられて発光強度が高くなっているとの結論を得た。レーザーアブレーション法で作製されたシリコンナノ結晶も同様な温度依存性を示し表面にSiO2相が存在することから非輻射遷移確率を増大させていると結論できた。この結果は高い発光効率を得るためには必ずしも量子効果は重要ではなくまた必ずしも結晶性がよいことがポイントにはならない事を示している。当助成金による筆者らの成果は今後の材料設計に於いて大きな意味を持つと考えている。
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