研究分担者 |
中口 悦史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70304011)
山本 吉孝 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30259915)
八木 厚志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70116119)
山谷 克 静岡大学, 工学部, 助手 (80293611)
大江 貴司 岡山理科大学, 総合情報学部, 助教授 (90258210)
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研究概要 |
我々は脳内の双極子を頭部表面上における磁場の観測値から推定する問題に対して,本研究課題以前の研究により,次の2つの方法を提案している. ・調和関数を重み関数とした重み付き積分に基づく方法(以下,方法I) ・代用電荷法を用いた観測値の内部延長による方法(以下,方法II) 本研究課題ではこれらの2つの方法を基に,以下に示す研究成果を得た. 方法Iは2次元問題に対するものであるが,3次元化を行うと共に,推定結果に対する事後誤差評価が得られる方法を構築した.しかしながら,良好な推定結果を得るためには,数値積分の精度と適切な重み関数が必要である.数値積分法としては,従来の方法では精度が不十分なため.代用電荷法に基づく方法を新たに開発した.重み関数としては,2次元問題の場合と同様の関数を用いているが,重み関数中のパラメータの適切な選択には,双極子の位置・モーメント・個数についての先験的な情報が必要である. 一方,方法IIは誤差評価ができないかわりに,先験的な情報を全く必要としない方法である.方法IIの推定結果を先験的な情報として用いることにより,方法Iの重み関数中のパラメータを適切に決定することができた.すなわち,方法Iと方法IIを組み合わせることにより,双極子に対する先験的な情報が無い状況の下で,双極子の位置・モーメントを誤差評価付きで推定するアルゴリズムを構築した.なお,この方法についての論文は現時点で執筆中であり,発表には至っていない. 現実の問題では,頭部表面の全域で観測値を得ることはできない.また,観測値には誤差が含まれ,観測点の数にも制限がある.これらの点を考慮して,本研究課題において構築した推定法に対する改善の検討も行っているが,成果をまとめるには至っていない.
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