研究概要 |
本研究は,境界要素法が有効利用出来る分野に属する弾性板の曲げ問題において,まだ未解決な問題であるリブ付補強板の曲げ問題を取り上げ,この問題に対する新しい境界要素解析法を開発し,具体的な問題に適用して計算結果を設計資料にまとめて有益な工学的知見を得ることを目的に行っている. 本研究では,板の面外及び面内変形と補強リブの変形との連成効果を適切に考慮したモデル化を行い,リブ付補強板の新しい境界要素解析法を開発する.すなわち,断面形状が任意な直線リブで補強された弾性板を,板の面外及び面内変形,補強材の軸力,せん断力,曲げモーメントの作用による連成変形をより正確にモデル化して解析する. 昨年度に続き研究課題に関する詳細な文献調査と現状のレビューを行い,既往の研究における問題点を洗い出して本研究の着想の新規性を確認した.その結果をもとに,リブ付補強板の新しいモデル化を提案.し,静的曲げ問題について積分方程式法定式化の詳細を与える理論的側面に関する研究を中心に進め,等方性弾性体からなる単一板の問題に対する新しい解析プログラムを開発した.本年度の研究実施項目を箇条書きすれば次のようになる. 1.リブ付補強板の座屈問題に関する解析法の境界要素法を中心とした文献調査,現状のレヴューと課題を抽出した. 2.リブ付補強板の動的問題に関する解析法の境界要素法を中心とした文献調査,現状のレヴューと課題を抽出した. 3.偏心リブ付補強単一板の静的曲げ問題の新しい解析プログラムを開発した. 4.リブ付補強単一板の座屈問題の定式化を検討した. 5.学術講演会での研究発表を行い,研究成果に関する客観的評価を得た. 6.学術講演会での議論をふまえて研究成果を学術論文集に投稿した. 7.研究成果報告書を,平成13年9月までにまとめる.
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