研究概要 |
本研究では、圧電材料と耐熱構造材料を張り合わせた知的傾斜機能材料/複合材料の三次元非定常圧電熱弾性問題を熱弾性場と電磁場との連成を考慮して、理論的に取り扱った。まず、圧電効果を有する圧電材料と圧電効果を有しない傾斜機能材料/複合材料の解析手法がそれぞれ異なるため,別々に解析する。そして圧電材料が接着された知的傾斜機能材料/複合材料の解析はこれらの理論解を組み合わせて,拡張することにより可能となるため、以下の場合に分けて解析を行った。 ・傾斜機能材料および異方性積層材料の非定常熱弾性解析 ・圧電材料単体の非定常圧電熱弾性解析 ・傾斜機能材料あるいは異方性積層材料と圧電材料を張り合わせた知的材料の非定常圧電熱弾性解析 解析モデルとして矩形板,帯板および円筒パネルを取り上げ,表面が非一様に加熱される場合の非定常圧電熱弾性問題の厳密解や円筒パネルについては一部近似解を導出した。また、数値計算を実行し、以下の点について定性的・定量的評価を行った。 1.熱弾性場と電磁場の連成効果の影響 2.温度変化、熱変形、熱応力(特に層間はく離の原因となる面外せん断応力や板厚方向の垂直応力)、電位、電束密度などの非定常挙動 3.表面電荷が熱変位、熱応力に及ぼす影響 4.円筒パネルにおける近似解の有効性 さらに、圧電材料と耐熱構造材料を張り合わせた知的傾斜機能材料/複合材料の非定常熱変形制御問題や圧電材料が接着された傾斜機能長方形板の熱応力緩和に関する最適化問題を取り扱った。
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