研究課題/領域番号 |
11650124
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械工作・生産工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松室 昭仁 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80173889)
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研究分担者 |
中本 剛 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (30198262)
森 敏彦 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (90023340)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | イオンビームプロセス / トライボロジー特性 / B-C-N系 / 超硬質材料 / 機械的性質 / 微細組識 / イオンビームプロセ / 微細組織 |
研究概要 |
本研究ではc-BCNを含め、優れた機械的特性を有するB-C-N系薄膜の創成の可能性を探索することを目的とし、B,C原子の蒸着し、Nイオンを同時に照射する三元素同時制御によるイオンビーム支援蒸着法により成膜を行った。この方法はB-C-N系薄膜創成についての研究においては新たな手法であり、また、物性変化をもたらすパラメータである各元素の輸送比や基板温度、イオンの照射量やエネルギなどの独立制御が容易であることにより、様々な実験条件の変化に対応する微細構造、機械的特性の変化が明確にできる。 1.イオンビーム支援蒸着法により形成されたB-C-N膜について ・B-C-Nの3元素が5:2:3の割合で分布するB-C-N化合物であり、各元素はそれぞれ結合していた。 ・この構造は、基板に垂直に配向した六方晶的な相と、立方晶の構造に近い相の2相構造であった。 ・硬度は17GPa、低摩擦(μ【approximately equal】0.07)であった。 2.Arイオンアシスト効果について ・組成、結合状態はArが過剰になるまではほぼ一定であったが、構造においては立方晶的な相が相対的に増加する変化が見られた。 ・構造変化に伴い、硬度を最大23GPaまで向上させ、耐摩耗性も向上させることができた。 ・Arの割合がさらに増加、構造がアモルファスBCに近づくことにより、硬度、耐摩耗性は低下した。 3.基板加熱および加速エネルギ変化による影響について ・薄膜の機械的特性の改善は見られなかった。 形成された、B-C-N薄膜はB-C-Nが三元的に結合する化合物であったこと、さらにArイオンアシストにより、薄膜の硬度、耐摩耗性の向上がみられたこと、またこの構造との相関を明確にでき、研究目的を満たす成果は得られた。さらに機械的特性に優れたB-C-N薄膜の創成は、立方晶組織の増加、結晶性の向上により可能であると思われる。
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