| 研究概要 |
管フランジの力学的特性の体系的な評価手法について検討し,以下に示す結果を得た.
1 ガスケットの非線形挙動の定式化 渦巻き形ガスケットおよびジョイントシートガスケットの変位-荷重関係を精度よく評価できる構成式を提案した.
2 管フランジの最適なボルト締付け手順について 金属ガスケット,渦巻き形ガスケットおよびジョイントシートガスケットを使用した場合について,あらゆる順序でボルトを締め付けた時に発生するボルト軸力のばらつきを精度よく評価し,さらにボルト軸力をできる限り一様とする最適な締付け手順を求めることができる三次元有限要素コードを開発した.また,呼び径の大きな管フランジについては,管フランジに対するボルトの剛性比が大きくなるため,ボルト軸力を一様とするための手順を求めることが困難となる.そこで,弾性相互作用係数法を適用することにより,管フランジの呼びに関係なく,最適なボルト手順を精度よく評価できる手法を提案した.
3 管フランジが外力を受けた場合の力学的特性の評価 金属ガスケット,ジョイントシートガスケットを使用した管フランジが,「引張り」,「曲げ」及び「内圧」を受けた場合について解析し,ボルト軸力の変化,ガスケット座面面圧分布特性の変化を明らかにした.
4 現行のJIS規格に対するコメント 管フランジの呼びが異なると,各ボルトとそれに関連するフランジ部分の剛性比の違いから,ボルトの締付け特性とガスケット座面の面圧分布特性が大きく異なる.したがって,規格の変更は困難であるとしても,使用にあたって留意すべきコメントを付記する必要があると考えられる.
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