研究概要 |
エロージョンは,物体表面に粒子が繰り返し衝突することによって起こる摩耗現象であり,これからの循環型社会構造における産業廃棄物処理施設(材料を粉砕し再利用する各種リサイクルプラント等)において,益々重要視されている. しかし,エロージョン現象は関与している因子が多いため,複雑なエロージョン挙動を示すことから,エロージョン全般的なデータが不足している.そのため,さまざまな作業環境によるエロージョンの予測やリサイクルプラント等の設計に役立つためのエロージョンの解明が期待されている. このような観点から,材料特性から材料のエロージョン特性の予測の可能性を探る目的から,実際のリサイクルプラントの運転条件に近い条件で実験を行い,エロージョン率(摩耗量/衝突粒子量)とさまざまな材料特性の関係について検討を行い,以下のような結果を得た. 1)粒子衝突角度によって摩耗メカニズムが異なり,これらの摩耗メカニズムには粒子形状と材料特性(硬さや加工硬化指数など)が大きく関与する. 2)エロージョン率と材料特性(硬さ,ヤング率,引張り強さ,C・ρ・ΔT,融点,原子間結合エネルギーなど)の間にはエロージョン発生条件によっては相関関係が認められたことから,一般的によく知られている材料特性から各種エロージョン発生条件に対するエロージョン率の予測が可能であるとの結論を得た. i)30°〜45°といった低衝突角度において,これらの相関関係がより明確である ii)60°以上の高衝突角度になるにつれて,これらの相関関係が成立しなくなる iii)衝突速度が変化しても,i),ii)の関係が認められることが明らかとなった iv)粒子形状が変化しても,i),ii)の関係が認められることが明らかとなった
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