研究概要 |
最近、バイオテクノロジーの分野では、細胞のような壊れやすく微小なバイオマテリアルの非接触・遠隔操作による移送・捕捉・融合・分類などのマニピュレーション技術の開発が望まれている。本研究は、レーザ光と超音波の放射力を相補的に用いることによって、ミクロンサイズの微小粒子に対する高度なマニピュレーションが可能な全く新しいマニピュレータ(LUMM:Laser Ultrasonic Micromanipulator)の実現の可能性を追求することを目的として行っているもので、本年度は前年度に試作したLUMMを用いた不要粒子のリムービングの実験を継続して行うと共に,定在波音場を用いた超音波マニピュレーションの基礎実験を行った。 1.不要粒子のリムービングの実験:試作したLUMMを用いて多数の微粒子の中から不要な微粒子を迅速に除去して特定の微粒子のみを捕捉する実験を継続して行った。 2.定在波音場を用いた連続プロセスの予備実験:液体フロー中の微粒子の連続プロセスを行う目的で2.2MHzの定在波音場を用いた微粒子の凝集の基礎的実験を行った。また,音響導波路中のガイド波を利用したマニピュレーションの可能性を検討するためにウエッジトランスジューサの送受波実験を開始した。 これらの成果の一部は,第20回超音波シンポジウム(USE99),及び国際会議(2000年IEEE Ultrasonics Symposium)において発表した。これらの成果の一部は,現在音響学会英文論文誌に投稿中である。
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