研究概要 |
本研究では,オペレータがマスターロボットを介してスレーブロボットを操縦するとき,どのようなソフトがマスター側やスレーブ側に求められるかを検討した.ここでは,移動ロボットとマニピュレータをどのように知能化し,知能化しきれなかった部分に人間がどのように介在するかを考えた. まず,移動ロボットやマニピュレータにオンラインやオフラインの障害物回避アルゴリズムを搭載した.ここでは,目的地へ誘導する早さ,及びセンシングに誤差があるときの目的地付近への誘導の安定性について評価した.特に,ノンホロノミックな移動ロボットについて,どのアルゴリズムが優れているかについて評価した. 次に,オペレータがマニピュレータを操縦するとき,実空間が適しているのかコンフィギュレーション空間が適しているのかを比較検討した.これはまだ結論がでていないが,作業の種類,及び作業内の各部分により一方が断然他方より適していることが多かった.ここで,コンフィギュレーション空間の障害物を構築するため,マニピュレータや障害物の衝突チェックアルゴリズムを提案したり,人工的に衝突力や摩擦力を生み出すアルゴリズムを提案したりした. 最後に,実際にマスタースレーブロボットシステムを構築し,通信の時間遅れやロボット制御の誤差が存在するとき,各種の知能化及び支援ソフトの有効性を確かめた.まず,予測ディスプレイがあるときとないときの操作性の違いを調べた.次に,マスターロボットとスレーブロボットでバイラテラル制御し,スレーブ側で発生した力をマスター側でリアルに感じられるかどうかを実験で確かめた.また,人工の衝突力や摩擦力が体感できる場合と体感できない場合の操作性の違いを調べた.さらに,スレーブロボットのフェールセーフ機能の有用性についても調べた.
|