研究課題/領域番号 |
11650284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 修 京都大学, 工学研究科, 助手 (70093333)
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研究分担者 |
濱田 昌司 京都大学, 工学研究科, 講師 (20246656)
宅間 董 京都大学, 工学研究科, 教授 (50221370)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 真空 / 沿面放電 / 帯電 / 表面粗さ / 絶縁設計 / コンパクトスペーサ / スペーサ形状 / 陰極電界 / 固体材料 / スペーサ |
研究概要 |
真空機器の電気絶縁において最弱点となるのが高電圧部分を支える固体絶縁物(スペーサ)の表面である。絶縁物表面は陰極からの電界放出電子の衝突によって帯電し、これをきっかけとして沿面放電を起こす。本研究は帯電を考慮して合理的にスペーサを設計しょうとするもので、その基礎として陰極表面の埋め込みプローブを用いて帯電から絶縁破壊までの過程をオンラインで追尾した。また、帯電のシミュレーションを行って実験結果と比較検討した。 平成11年度にはアルミナセラミクス、アクリル樹脂、テフロンの3種類の材料で円柱および円錐台形スペーサを作成し、また、その表面粗さをサブミクロンから数十ミクロンの範囲に変えて帯電特性および破壊電圧特性を調べた。その結果、アルミナおよびアクリルでは表面粗さが大きくなるほど帯電しにくくなり、粗さ約3ミクロン以上では帯電しにくくなることがわかった。また、粗さの増大とともに破壊電圧が上昇し、帯電特性と破壊電圧特性が密接に関係していることが確認できた。さらに、帯電特性はスペーサの材料によって大きく変わることが明らかになった。すなわち、テフロン製のスペーサでは、実験に用いた粗さの範囲ではほとんど帯電しないことがわかった。テフロンでは破壊電圧も他に比べて高くなり、破壊直前の高電界でのみ弱い帯電が見られた。 平成12年度はコンパクトで絶縁性能に優れたスペーサ形状を開発するため、上記3種類の材料のうち加工が容易なアクリル材料について、帯電に影響し易い陰極近傍のスペーサ形状と帯電・放電の関係を調べた。すなわち、円柱形スペーサの陰極側の一部を円錐台形に広げたり、切り込みを付けたりした。また、その部分の表面を粗くして帯電特性および破壊電圧特性を調べた。その結果、円錐台付きスペーサは帯電しにくく破壊電圧が高いこと、切り込み付きスペーサは、切り込みの角度が30度以上で、切り込みの陰極からの高さが5mm以上であれば帯電しにくく破壊電圧が高いことが分かった。さらに、切り込み部の表面を粗くすると5mm以下でも帯電しにくくなり、破壊電圧は円錐台付きスペーサや、表面の滑らかな切り込み付きスペーサよりも高くなることが分かった。これらにより、コンパクトなスペーサの設計法が明らかになった。
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