研究課題/領域番号 |
11650297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
中川 聡子 東京電機大学, 工学部, 教授 (70134898)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 磁性流体 / セミアクティブダンパ / 粘性変化 / 非線形制御 / 磁界制御 / 流体の非線形性 / 磁場制御 / H^∞制御 |
研究概要 |
近年、鉄道などの交通機関において、高速運転にともなう走行エネルギーの低減の観点から、車両の軽量化がはかられてきた。しかしこのことにより、わずかな外乱に対しても車両振動が誘発され、乗り心地が悪化してしまうことが問題となっている。 そこで報告者らは過去に、磁性流体が磁界により粘度を変える事に注目し、ダンパシリンダ内の磁性流体に電磁石による可変磁界を与え、連続的に粘度を変えることにより、サスペンションのダンピングを制御し、防振効果を持たせるといったセミアクティブ方式のサスペンションを提案した。これは一旦制御が破綻しても、ダンピング係数はどんな場合にも正の値をもつ単なるピストン運動であるので、常に安定したシステムの構築が可能となる。 今回、上述の基本研究を基に、より完成度の高い実用レベルのシステムを構築するため、先に提案した基本装置・磁性流体セミアクティブダンパの改良を、次の三項目に対して行った。 1種々の加振実験結果を基に、流体の非ニュートン性も考慮したモデルの修正を行い、実システムの挙動に近い定式化を導いた。 2先に提案したハミルトンヤコビ不等式を用いた非線形制御法を適用し、これによって設計された磁界制御入力を、これまでの電圧型から、現実的な電流型に変更した。 3磁性流体の粘度可変領域を、零磁界時を基点としたこれまでの方式から、バイアス電流を用いることによるプラス・マイナス双方向制御へと、制御域の拡張を行った。 上記の改善を行ったところ、改良システムは、制御をかけない場合の振動の約5割、従来制御の場合の約8割に減衰する事ができ、しかも、複合周波数成分を持つ外乱にも有効であること、制御電流も非常に小さいことが判明した。これにより、実用化に向けての改良システム提案を行うことができた。
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