研究課題/領域番号 |
11650310
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
福田 永 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (10261380)
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研究分担者 |
野村 滋 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (10002859)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ゲルマニウム / ナノ結晶 / 量子井戸 / 量子トンネル伝導 / 量子閉じ込め効果 / MOS構造 |
研究概要 |
本研究は、酸化膜中にナノサイズのGe結晶を成長させ、それらが作る量子井戸に電子を捕獲させることを目的とした。さらに、ニューラルネットワークの適用学習型電子デバイスとして動作させることについて検討した。酸化膜中のGe結晶は量子ドットを形成しており、0次元の量子閉じ込め効果により可視発光することが報告されている。本研究は、イオン注入で酸化膜中にGeを導入する方法を検討した。イオン注入シミュレータの計算から、今回、イオン注入エネルギーを25keV,ドーズ量を1×10^<14>/cm^2と設定した。二次イオン質量分析により、酸化膜中のGe分布を調べた結果、酸化膜/Si界面から15nmの位置に最大2×10^<19>原子/cm^3の濃度でGeが偏析していることが確認できた。イオン注入後に熱処理を行った結果、600℃以上の熱処理で酸化膜中にGe微結晶が成長していることがラマン分光により確認できた。ラマンピークの半値幅からGe結晶サイズを見積もった結果、結晶径は平均で3〜5nm程度であった。次にHe-Cdレーザー励起によるフォトルミネッセンス測定を行った結果、0次元量子閉じ込め効果による強い青色(波長450nm)発光が室温で観測された。次にMOS構造を作製し、SiO_2/Ge/SiO_2量子井戸に電子を注入することを試みた。LCRテスターを用いて、容量-電圧(C-V)測定を行った結果、電子捕獲量に相当するフラットバンド電圧の変化が確認された。また、酸化膜のトンネル伝導に見られない特異なトンネル伝導が観測できた。このことからGe結晶は酸化膜中で二重障壁量子井戸構造を形成していると考えられ、これに固有な量子共鳴トンネル伝導が生じたためと考えられる。今後は、Ge微結晶サイズおよび深さ方向分布を制御できるようプロセスの最適化を図る。さらにMOSFET構造でのデバイス動作を確認しシナプス特性を確認する。
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