研究課題/領域番号 |
11650311
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
阿部 良夫 北見工業大学, 工学部, 助教授 (20261399)
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研究分担者 |
川村 みどり 北見工業大学, 工学部, 助手 (70261401)
佐々木 克孝 北見工業大学, 工学部, 教授 (80091552)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 反応性スパッタリング / 導電性酸化物薄膜 / 金属伝導 / キャパシタ電極 / 熱的分解 / 半導体 / 熱分解 |
研究概要 |
RFマグネトロンスパッタ装置を用い、ArとO_2の混合ガス中で金属Rhターゲットを反応性スパッタリングすることで、Rh酸化物薄膜を作製した。スパッタリング条件および成膜後の熱処理によるRh酸化物薄膜の結晶構造、化学結合状態、電気特性に与える影響をX線回折、X線光電子分光分析、四探針法によりそれぞれ評価した。 基板温度を100℃以下として、純酸素をスパッタガスとして用い、低RFパワー、低スパッタガス圧力などのスパッタリング条件では、導電性のRhO_2薄膜が形成されることがわかった。しかし、作製したRhO_2薄膜の結晶性は良くなく、アモルファスに近い構造で、抵抗率も約300μΩcmとやや大きい値であった。そこで、反応性スパッタリング法で作製したRhO_2薄膜の結晶性を改善し、抵抗率の低減を図るため酸素中での熱処理を行った。熱処理温度の上昇とともに結晶粒径が増大し、抵抗率も減少した。600〜700℃で一時間、熱処理した結果、抵抗率は80μΩcmの最小値が得られ、抵抗温度係数(TCR)も正の金属的伝導を示すことを確認した。本研究で得られた最小抵抗率の値はバルクRhO_2で報告されている値とほぼ一致する。RhO_2薄膜は1気圧の酸素中では700℃まで安定であるが、750℃以上ではRh_2O_3に熱分解する。Rh_2O_3の抵抗率は1mΩcm以上であり、TCRも負の半導体的性質を示すことを確認した。 RuO_2やIrO_2などの導電性の白金属酸化物は、低抵抗で耐酸化性に優れることから、DRAMあるいは強誘電体メモリなどのキャパシタ電極への応用が検討されている。本研究の結果、RhO_2についても抵抗率80μΩcmと低抵抗な薄膜を作製できることが明らかとなり、電子デバイスへの応用が期待できる。
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