研究課題/領域番号 |
11650324
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
服部 公則 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (80228486)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | アモルファスシリコン / キャリア輸送 / キャリア再結合 / 変調光電流 / タイムオブフライト / 光劣化 / キャリア諭送 / 移動度 / 局在準位 |
研究概要 |
アモルファスシリコンのバンドテイル準位はキャリアの緩和・再結合および輸送特性に多大な影響を与えている。その詳細を調べるべく、理論実験両面にわたる詳細な研究を行った。理論面においては、バンドとの熱的相互作用と局在準位間トンネル遷移を考慮した、アモルファス半導体における統一的キャリア緩和・再結合理論を構築し、実験結果の検証を含む厳密な解析を行った。実験的に確認されている有限の局在半径を課したとき、理論はトンネル相互作用に基づく顕著な効果、緩和プロセスの促進およびこれに対応するドリフト移動度の低下を明らかにした。解析結果は変調光電流の実験結果とよく一致し、これにより本理論の妥当性が確認された。またトンネル遷移を介して発現する付加的再結合経路の重要性が数値計算によって示唆された。実験面においては、変調光電流法をさらに発展させた周波数分解タイムオブフライト(TOF)法を開発し、これを用いてキャリア輸送特性と光誘起構造変化に関する詳細な調査を行った。周波数分解スペクトルのMHz域には理論で予想された明瞭なビートが観測され、その出現周波数よりドリフト移動度の周波数依存性が得られた。測定結果からは、室温において電子ドリフト移動度が周波数によらず約1cm^2/Vsで一定であることが示され、これまでの我々の研究結果との整合を確認した。一方、光劣化にともない正孔のドリフト移動度には、電子のそれには観測されない有意な低下が見られた。これは光誘起構造乱れが価電子帯側の電子状態に選択的ダメージを与えていることを物語る。光誘起構造変化および欠陥生成機構の完全な解明を実現するには理論的・実験的研究をさらに前進させる必要があるものの、本研究の成果はそのゴールへの重要な第一歩を成すものと認識される。
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