研究課題/領域番号 |
11650347
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中川 清 神戸大学, 工学部, 助手 (50198032)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 波形整形 / フォトリフラクティブ効果 / 光デバイス / 多重量子井戸 / 超高速光学 / フェムト秒レーザパルス / 多重量子井戸構造 / 回折光学素子 |
研究概要 |
フェムト秒レーザーパルス光の波形を任意に整形、制御できる光学システムを構成することを最終目的として、システム中で安定に動作する回折光学素子の設計、製作および回折特性の評価を行った。光誘起屈折率効果(フォトリフラクティブ効果)を付加した多重量子井戸構造デバイスは、フーリエ領域合成の原理に基づいた波形整形システム中で利用可能であることが分かった。 異なった共鳴周波数を示す量子井戸構造を重ねて製作することによって、デバイスとしては広い波長範囲に対応できる、広帯域の空間光変調素子を構成できた。応答光波長の帯域は、820〜840nmで、ほぼ均一な効率を実現できた。このデバイスに、パルス継続時間、約100fsecのレーザーパルス光を入射した時、入射レーザーパルス光間の干渉効果の結果、回折格子を形成し、形成された回折格子により、入射光自身が回折する現象を観測した。この回折レーザーパルス光のスペクトル特性やパルス継続時間の測定により、空間光変調素子のフェムト秒レーザーパルス光への応答特性を評価できることを明らかにできた。 超短レーザーパルス光の継続時間や波形の評価に通常用いられる、時空間相関関数を、今回製作した、多重量子井戸構造デバイスを用いれば、可動部無しに測定可能であることの見通しを得た。相関関数を求めたい二つのパルスを一定時間間隔を持たせて同じ分光計に入射することで、分光計のスペクトル面に配置した量子井戸構造デバイスの変換特性を用いて、読み出し光波に空間変調を与え、光学的逆フーリエ変換を可能にすることで、可動部無しに相関関数がもとまる。実験的検証が期待される。 最終的に、開発したデバイスを用いて波形整形可能なシステムを実現するまでには至らなかったが、実現できる見通しが得られたと結論できる。
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