研究概要 |
本研究は,携帯電話や携帯情報端末などのアンテナまたは機器の効率的な励振方法を明らかにすることをねらいとして,機器の形状寸法の放射に対する効果の検討および励振素子とその配置についての検討を行った. 携帯端末用アンテナにλ/4モノポールアンテナを用いたときの解析を行い,その放射特性と筐体上に流れる電流の関係について明らかにした.また,放射特性の改善をねらいとして,筐体上に電流制御素子を設け,それによる放射特性の改善を研究した.その素子を筐体上に設置した場合の筐体上の電流分布,放射パターン,インピーダンス特性を解析し,素子の効果を明らかにした. 携帯端末に内蔵可能なアンテナとしてメアンダラインアンテナ(MLA)を取り上げた.MLAを地板および直方導体の面に平行に設けた場合のインピーダンス特性を明らかにし,MLAの素子を2線式にすることで広帯域化を図った. 偏波ダイバーシチ方式を採用したパッチアンテナを取り上げ,その放射特性を数値解析および試作実験により明らかにした.パッチに用いる基板の比誘電率上げて小形化を図り,その場合でもパターンの形状が変化しないことを示した.スタブによる広帯域整合を行うことにより,BWR(比帯域)を4.4%とすることができた. 広帯域化が可能な携帯端末用小形アンテナとして,小形板状アンテナ(SPA)を取り上げ,そのインピーダンス特性を解析し,広帯域化の方法について研究した.有限要素法を用いて,2板式SPA,3板式SPAのインピーダンス特性を数値解析し,板状導体を複数用いることによる広帯域化の方法について明らかにした.結果として,VSWR≦3の比帯域幅が,2板式SPAで12.2%,3板式SPAでは14.95%得ることができた.
|