研究概要 |
本研究はポイントマッチング法により高誘電率準球状共振器の共振特性や無負荷Q特性を精度良く求めようとするものである.平成11年の研究成果においては,共振器の境界上に数点の電磁界整合点を与えることにより,固有値方程式を誘導した.さらにこの固有値方程式を数値的に解析し,共振周波数及び無負荷Q値を一部明らかにした.しかしながら同年の研究においては,緯度方向の角度を等分割して整合点を定めているため固有値の収斂性が悪いことが分かった.そこで平成12年度,本研究代表者はこの収斂性の改善を目指して,整合点の取り方について誠心誠意検討を行った.共振器内外の電磁界表示式は波動方程式の球座標展開で与えられるため,電磁界の緯度方向変化はルジャンドル陪関数によって支配される. そこで解析すべきウィスパリングギャラリーモードの共振次数mと整合点の数Nによって表わされるルジャンドル陪関数を用いた次の方程式の解を整合点の分点座標とした.すなわちP^m_<m+2N-1>(cosθ)=0である. この方程式とウィスパリングギャラリーモードの電磁界成分の対称性をも考慮することにより,本研究代表者は平成12度収斂性の優れた固有値の算出に成功した. また実験的には,本科学研究費補助金で購入したシンセサイズドCWジェネレーターを用いて,高誘電率を持ちしかも損失の少ないアルミナから構成される準球状共振器の共振特性及び無負荷Q特性を本研究分担者の協力を得て明らかにした.これら理論及び実験両面からの研究成果は裏面に示されている論文等で公表されており,さらに本年7月,大阪において開催される国際学会PIERS2001でも発表されることが決定している.
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