研究概要 |
本研究は,ハードディスク装置(HDD)に代表されるディジタル磁気記録装置の高密度化のための信号処理方式に関するもので,PRML方式を信号系列方向(ディスクの周方向),隣接トラック方向(半径方向)および深さ方向の3方向に展開することにより,一層の高密度化をはかることを目的として研究を進めた結果,以下の成果が得られた。 1.記録再生系のモデル化 スピンスタンド,任意波形発生器,ディジタルストレージオシロスコープを用いて記録再生実験を行い,長手磁気記録,垂直磁気記録それぞれの再生波形を取得して各記録再生系のモデル化を行った。 2.2トラック記録パンクチャド畳込み符号化PRML方式 トラック幅が通常の1/2のマイクロトラックを作成して2トラック記録パンクチャド畳込み符号化PRML方式の実機ライクな検討を行った結果,1トラック記録の場合に比べて良好な特性が得られることが明らかとなった。 3.高符号化率RSC符号化の検討 符号化率8n/8n+1化と高符号化率を実現できる多重方式を考案し,符号化率が8/9,16/17のパンクチャド再帰組織畳込み(RSC)符号化の性能評価を行ったところ,繰り返し復号を行った場合にウォータフォール特性が得られ,符号化率8/9の場合に良好な特性が得られることが明らかとなった。 4.高符号化率RLL符号の開発とのターボ符号との連接 ターボ符号との連接を想定して,高符号化率のRLL符号である64/65(0,8)符号を開発した。また,RLL符号化器を連接して最大磁化反転間隔を制限できるターボ符号化器及びその繰り返し復号化器を考案し,垂直磁気記録に対する記録再生実験により性能評価を行ったところ,8/9(0,4/4),16/17(0,6/6)符号化に比べて良好な特性が得られることが明らかとなった。
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