研究課題/領域番号 |
11650432
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計測工学
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研究機関 | 北海道工業大学 |
研究代表者 |
三澤 顕次 北海道工業大学, 工学部, 教授 (30102784)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | PVCモノオレイン膜 / 味センシング / 味覚センサ / 合成脂質膜 / 化学センサ / 電気・光学的特性 / 応答パターン / 高分子膜 |
研究概要 |
本研究では、新たな味センシング手法の基礎を確立することを目指し、単一の膜から多チャネル系に匹敵する複数の電気・光学的情報を取得し、その特徴量から応答パターンを描き、試料ごとに得られる特有のパターン形状から味の識別について検討した。 以下に、研究成果の概要を記す。 1.味物質を感知するセンサ部には、支持体のPVCと合成脂質のモノオレインを混合して作製した膜を用いた。試料の味溶液には、甘味にショ糖、塩味にNaCl、酸味にHCl、苦味に塩酸キニーネ、旨味にL-グルタミン酸Naの5基本味といくつかの市販清涼飲料を用いた。 2.光学特性と電気特性を新たに作製した測定セルで同一の系で求めた。光学特性はハロゲン光をライトガイドを介して膜に照射しその透過光の強度変化を測定し、交流電気特性はAg-AgCl電極を介しLCZメータによって10Hzから1MHzにおける膜のコンダクタンスと容量特性として求めた。 3.これらの電気・光学的特性が各試料によって特徴的な特性傾向を示すことを見出した。 4.味の識別は、前述の電気・光学的特性の特徴量をパターン化することで行った。具体的には、6軸からなる平面座標系(通称:レーダーチャート)を用い、味溶液ごとの電気特性と光学特性の特徴的な値、電気特性では250Hz時と1MHz時のコンダクタンス値、容量値(電気特性の特徴量四つ)を、光学特性では透過光特性の過渡応答時間と定常値(光学特性の特徴量二つ)を各軸に割り当て、これらによって得られる各試料ごとの応答パターンから味識別について検討した。 5.その結果、甘味は特に光学特性軸に強く反映し、酸味、塩味、旨味等の電解質成分は四つの電気特性軸で有意に反映し、試料ごとに特有の形状となり、市販清涼飲料の識別も可能であった。 6.以上のように、単一膜から得られる六つの電気・光学的特徴量による応答パターンは、新たな味センシング手法として十分有効なものと考えられた。
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