研究課題/領域番号 |
11650459
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
制御工学
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研究機関 | 東京理科大学諏訪短期大学 |
研究代表者 |
相原 伸一 東京理科大学, 諏訪短期大学, 教授 (70202455)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | システム同定 / 確率的制御 / マイクロトンネルマシン / 確率的偏微分方程式 / 確率的安定性 / 境界雑音 / 座靴現象 / ブラウン運動 / マイクロトンネル機械 / 確率的双曲型方程式 / 安定性 / 解の分岐 / 自由境界 |
研究概要 |
この3年間の研究において、マイクロトンネルマシンを構成している導管の途中に生じる撓みu(t, x)が支配される偏微分方程式の同定と制御方策の研究を行なった。初年度構築した双曲型偏微分方程式モデルは非常に複雑で、その物理パラメータ等の推定に難点が生じ、シミュレーションにも時間がかかり実用的ではないことが解明された。 そこで2年度においては、数学モデルの構築に際して、慣性項を無視し、ダンピング項のみの、放物型モデルを提案しシミュレーション実験を行なった。その結果には実データとの類似性が見受けられ、さらに多関節の導管に実際に生じる座靴現象もこの数学モデルで表現できることが判明した。座靴現象の数学的解析を行い、偏微分方程式の解に関する確率的安定性の十分条件の導出を行なった。このマイクロトンネルマシンの特徴である、導管が障害物を回避するように曲進する場合に対応した数学モデルへの拡張を行い、その制御方策を検討した。 最終年度は構築された数学モデルに含まれる物理係数の同定を行なうことであり、最尤推定を用いて位置変数の関数である2種類の係数の同定を行なった。前年度に開発された同定アルゴリズムを実データに適用したが、このマイクロトンネルマシンを試作している企業より提供されたデータは、観測データ取得の環境条件に不明な部分があり、最尤法を用いて同定した係数の物理的妥当性が検証できない場合が多く見受けられた。最終的には初年度に考察した物理的制約や物性より決定した係数をもとに、最尤法で少し微調整を加える同定法が有用であるとの結論に達した。 本研究で導出した数学モデルは、数理ファイナンスにおける確率的ボラテリティーの推定問題に現れる基礎方程式に類似しており、応用できる可能性の検討を行なった。
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