研究概要 |
最初にポーラスコンクリートの配合が植物との共生に及ぼす影響を検討すべく,コンクリートブロックの厚さと上置き土の厚さが及ぼす影響について検討した。実験結果を検討したところ,緑化コンクリート製品とするには,a)高い吸水性を有する骨材を用いること,b)骨材-セメント容積比としては8,水セメント比としては35%程度の配合とすることが推奨されることがわかった。 次に水質浄化に対する効果について検討した。実験の結果,a)骨材としてぼらを用いる方が水質浄化に効果的であり,全有機炭素や全リンの除去率は骨材として石灰石を用いた場合よりも高い値が得られること,b)実験開始の初期段階では骨材粒径が10〜15mmのサイズを用いたポーラスコンクリートが効的であったが,実験開始後70日頃になると,5〜10mmのサイズの粒径の骨材を用いた場合の方が効果的であった、c)実験開始後70日以降になるとポーラスコンクリートの空隙率の差異は全有機炭素の除去率に対してほとんど影響を及ぼさなかった、等が明らかとなった。 続いてポーラスコンクリートの吸音特性について検討した。吸音率は管内法による垂直入射吸音率測定法に準拠して測定した。実験の結果,次の諸点が明らかとなった。a)ぼらの方が石灰石よりも高い吸音特性を有している。b)ぼらを用いて作製したポーラスコンクリートの吸音ピーク周波数は,石灰石を用いた場合よりも低い周波数となる。c)ポーラスコンクリートの空隙率が増大するに伴って,吸音ピーク周波数は低周波数域に移行する。
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