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砂地盤の側方流動に対する既設杭基礎の耐震補強

研究課題

研究課題/領域番号 11650493
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 構造工学・地震工学
研究機関武蔵工業大学

研究代表者

片田 敏行  武蔵工業大学, 工学部, 教授 (30147897)

研究分担者 玉手 聡  労働省産業安全研究所, 建設安全部, 研究官
研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード基礎杭 / 液状化 / 側方流動 / 連壁 / 耐震補強 / 遠心模型実験 / せん断土槽 / せん断変形 / 既設杭基礎
研究概要

液状化に伴う側方流動により発生する地盤のせん断変形を拘束して既設杭基礎を補強することを目的とし、地盤内の杭体周囲に地中連壁を構築する対策を考えた。連壁は、完全に閉じた枠を構成することで、ねじり剛性や面内せん断抵抗を増加させると考えらる。その効果を確認するために遠心模型実験を行った。実験には、内寸42cm×15cm×27cmのせん断土槽を用いた。このせん断土槽は、厚さ15mmのアルミ製水平枠を17段積み重ねた構造になっている。それぞれの枠は、上下にベアリングを介して枠同士の摩擦を低減し、側方流動現象のような模型地盤のせん断変形をできるだけ拘束しないようにしている。飽和砂模型地盤は約1°傾斜させて遠心実験装内に置き、約50Gの遠心力場で20波の正弦波(100Hz)を加えて、杭と地盤の挙動をそれぞれ計測した。最大入力振幅は約20G(400gal相当)とした。実験では模型杭を設置したせん断土槽内に、緩い砂層と密な砂層より成る2層の飽和砂模型地盤を作成し、連壁で杭基礎を補強しない場合、連壁を液状化しにくい下層の密な砂層の浅い位置まで構築した場合、さらに深い位置まで構築した場合の計3ケースを行い、連壁の補強効果を調べた。これらの実験結果から得られた杭基礎周辺地盤の状況および杭の曲げモーメントなどから、連壁による杭基礎の補強効果について、次のようなことが明らかになった。連壁で補強したケースでは、(1)地盤の液状化の速さを遅らせる効果や(2)杭周辺地盤の残留変形を小さくする効果、および(3)杭の曲げモーメントを抑える効果があった。しかし、(4)曲げモーメントを低減させるには、連壁の膝下部を液状化しない層まで根入れすることが必要であることも明らかになった。また、相似率を考慮して作製した連壁模型の曲げ剛性はEI=2.40×10^8kgf・cm^2、模型杭の曲げ剛性はEI=5.36×10^6kgf・cm^2となり、両者を比較すると連壁模型の方が約45倍大きい。それゆえ、全体として地盤の流動時に連壁は剛体のように、杭は杭先端を固定端とする片持ちばりのように挙動すると推測できた。このとき、連壁は杭よりも受圧面積が広く、側方流動による液状化砂の流動圧を杭以上に大きく受ける。しかし、それ以上に曲げ剛性が大きい連壁では、結果的に杭のみの場合に生じる曲げモーメントよりも値が小さくする。また、このことは連壁の膝下部を支持するためには非液状化層へ十分に根入れすることが必要であることを示している。つまり、連壁の膝下部が非液状化層にある場合、液状化層の側方流動による流動圧を受けても、地盤の支持力により連壁に水平抵抗力が生じ、そのだけ杭に作用する地盤の流動圧の負担が小さくなり、杭に生じる曲げモーメントを低減させると考えられる。逆に、連壁の膝下部が液状化して地盤の支持力を失うと、流動地盤に対して連壁が抵抗力出来なくなるため、連壁全体が流動してしまい杭に大きな負担がかかる結果となる。このことは、連壁の非液状化層への根入れが浅い場合において、連壁の膝下部付近の曲げモーメントが大きく生じたという結果によく表れている。以上をまとめると、連壁よる側方流動への杭基礎の耐震補強は、十分にその効果を有しているが連壁を非液状化層へ十分に根入れする事が重要であるといえる。

報告書

(3件)
  • 2000 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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