研究分担者 |
高橋 章浩 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40293047)
桑野 二郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30178149)
日下部 治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40092548)
北詰 昌樹 独立行政法人港湾空港技術研究所, 室長
神田 政幸 鉄道総合技術研究所, 構造物技術開発事業部, 技師
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研究概要 |
本研究では裏込め盛土荷重を受ける重力式ケーソン下の低置換率SCP改良粘土地盤の短期安定性と長期挙動を調べるための遠心模型実験手法の開発を行い,それを用いた実験により以下の成果を得た. (1)裏込め盛土築造時,SCP地盤上のケーソンは,主として水平に変位し,鉛直変位はそれに比して極めて小さく,水平変位が短期安定性の評価指標となる. (2)短期安定性の向上の為にはケーソン直下部の置換率を上げるよりはSCP改良範囲を背面盛土側に広げることがより有効であり,更に盛土築造に伴うSCP間の粘土部の強度増加が短期安定性に大きく貢献する. (3)短期安定性が確保される範囲では,盛り土築造時の短期沈下及び築造後の長期沈下を合わせた全沈下量は,改良条件が同じであれば盛土の載荷速度によらずほぼ同じであり,また,この全沈下の抑制には置換率を上げることが最も効果的である. (4)SCP地盤上のケーソン岸壁背面の盛土に軽量材料を用いることにより短期安定性が向上し,連れ込み沈下による盛土築造後の長期沈下を効果的に抑制することができる. 更に,SCP砂杭の強度確認を目的としたコーン貫入試験並びにプレッシャーメータ試験を行い,これと併せて空洞押し広げ理論をSCP砂杭に適用し,コーン貫入抵抗式を導き,それを用いてコーン貫入試験による砂杭の内部摩擦角の評価の可能性について検討し,以下の成果を得た. (5)砂地盤に比べるとSCP地盤の側方地盤反力係数k_hは著しく小さく,更にAsが小さくなるほどSCP複合地盤からの拘束効果が低下しk_hも小さくなる.その結果,同じ相対密度の砂でも改良率が小さくなるほどSCPのコーン先端抵抗と周面摩擦力は小さくなる. (6)砂杭まわりのSCP複合地盤部の拘束効果をAsに応じて異なる地盤反力係数を持つバネで表わし,有限径の砂杭がこのバネに囲まれているモデルに対して,空洞押拡げ理論(2次元の円筒,3次元の球状)を利用してコーン貫入抵抗(2次元:周面摩擦,3次元:先端抵抗)の評価式を導き,各種要因(摩擦角,砂杭剛性,塑性域の平均体積ひずみ,k_h,砂杭-コーン径比等)がコーン貫入抵抗に与える影響を調べ,この手法から有効内部摩擦角を評価することの可能性を示した
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