研究課題/領域番号 |
11650533
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水工水理学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
浅野 敏之 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (40111918)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 波打ち帯 / 浸透流 / 漂砂 / 遡上波 / 前浜地形変化 / 海浜変形 / beach deformation |
研究概要 |
砂浜地盤内の水位は、降雨や潮位変動の履歴効果によって砂浜斜面上の水位と不連続を生じ、砂層地盤内への浸透流や地盤からの滲出流を生じさせて、波打ち帯の漂砂に大きな影響を与えると考えられる。本研究は、前浜砂層内への浸透流を含めた斜面上の波動場を解析し、漂砂や地形変化に与える浸透流の効果を考察したものである。 初年度は非線形長波方程式を基礎方程式とし、遡上端を移動境界とした数値モデルによる解析を行った。波打ち帯では砂地盤内への浸透流は地盤上端面でtransientな水位変動が載荷されるが、この非定常浸透流をDickerの理論に基づいて解析した。解析の結果、斜面上の水粒子速度に与える浸透流・滲出流の影響は小さく、また地盤内浸透流に対する非定常性も顕著でなく、砂粒径で決定される定常流速で近似できることが明らかになった。 次に、得られた水粒子速度場を外力とした時の、斜面上に置かれた単一砂粒子の運動を作用流体力と移動抵抗力に関する力学モデルに基づき解析した。その結果から、砂粒子の移動限界掃流力および岸沖漂砂量についての解析的表示式を導出した。これらは粒径のみをパラメターとした定量的表示式で与えられており、実用に供する形で提案することができた。 第2年度は、斜面上の有限振幅重複波の解析解を用い、前年度の数値解による解析をさらに精密化することを目指した。この理論から得られる水粒子運動を外力として斜面上の単一砂粒子の運動をラグランジェ的に追跡し、波打ち帯の漂砂運動の特性を考察した。砂粒子は遡上波先端の到達とともに大きな慣性力を受けるとともに、部分的に水中浮力の影響を受け、砂粒子は特異な運動を行うことが明らかになった。さらにこの結果を用いて前年度と同様に、一様勾配斜面上の局所掃流漂砂量を考察し、波打ち帯の海岸地形変化に関する検討の精密化を行った。
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