研究課題/領域番号 |
11650567
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 福井工業大学 |
研究代表者 |
井上 頼輝 福井工業大学, 工学部, 教授 (90025891)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 酸性雨 / 酸性降下物 / 硫黄酸化物 / 窒素酸化物 / 黄砂 |
研究概要 |
福井は九頭竜川流域にあり、この地の大気は夏を除き中国大陸から飛来するものと考えられている。この流域は酸性岩である花崗岩を主体とし、酸性土壌より成るので、地質的に酸性降下物の影響を受けやすく、わが国の中では酸性降下物の影響を最初に受ける地域の一つと考えられる。福井の酸性降下物の主体を成す硫黄酸化物と窒素酸化物のうち、中国大陸より来るものは年平均で約7割を占めるが、冬・春期には黄砂も飛来する。黄砂はアルカリ性で、酸性雨を中和する能力を持っており、我が国の雨の酸性度が現在の程度で済んでいるのはこのためであると見られる。まず酸性降下物の将来量を推定するために福井に到達する酸性降下物量を計算により求めた。各日の福井に到達する空気の流跡を求め、秋元等の与えた東アジアの硫黄酸化物と窒素酸化物の人為的負荷発生量と重ね合わせ、EliassenがOECDの酸性降下物原因物質長距離輸送で提案した方法を用いて福井における濃度を計算した。一方福井県環境センターは福井県内約20カ所で硫黄酸化物と窒素酸化物濃度を実測し、報告しているので計算値と比較した結果、硫黄酸化物についてはほぼ同じオーダーだが、窒素酸化物については約1桁計算値のほうが低かった。。その主な原因は実測は地表で行われているのに対し計算値は理論的な制約から850mb面、約1000m上空での値で地表値を代表させているためと思われる.実測値と計算値の比較ができたので、福井の酸性降下物の主要な発生源である中国大陸、朝鮮半島の諸国が将来経済発展を遂げ、それに伴い負荷発生量が増加したとき、その増加量を推定できれば福井の酸性降下物がどのように変化するか予知可能となった。 福井における酸性降下物を福井工業大学の屋上で実測したところ、降雨のpHは年間を通じて3〜4であるが、黄砂の飛来する3,4,5月はこれが5台となり酸性雨では無くなる。黄砂はアルカリ性で、酸性雨をかなり和らげているが、地上に降下してからの年間を通じての効果を明らかにする必要がある。
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