研究概要 |
本研究では,B_4C-Ti,BN-Ti,BN-Zr反応系について,TiB_2-TiC-C,TiB_2-TiN,ZrB_2-ZrN合成のための最適反応温度および反応時間を調べ,ミクロに混合した複合体の合成を行った.特に,TiB_2-TiC-Cの場合は加圧下で反応を起こさせ,緻密化を試みた. B_4CとTiの混合粉末を2000℃で焼結すると,混合比Ti/B_4Cが0から2まではB_4C-TiB_2-C複合体が生成し,Ti/B_4Cが2の時はTiB_2-C複合体が生成した.Ti/B_4Cが2から3まではTiB_2-TiC-C複合体が生成し,Ti/B_4Cの値が増加して3になるとTiB_2-TiC複合体に変化した.焼結体の相対密度はTi/B_4Cが2の時に97.0%と最も低くなったが,それ以外は相対密度98.4%以上の緻密体が得られた. Ti粉末とBN粉末の反応過程を1100℃で調べた結果,反応の途中で中間生成物としてTiBが生成し,これがさらにBNと反応しTiB_2が生成することが分かった.生成したTiB_2-TiN複合体中のTiNのN/Ti比は合成の際に予想されるN/Ti比より若干低く,このためBNが残留した.BNが残留しない完全なTiB_2-TiN複合体の合成には,Ti/BN比を1より少し多めにすれば可能になると考えられた. Zr粉末とBN粉末の反応過程を1100℃で調べた結果,ZrとBN固相置換反応は1100℃では144h後には完了することが分かった.ZrB_2-ZrN複合体の合成には,真空封入よりもAr気流中で反応させる方が適しており,生成した不定比ZrN_xは,反応時間が長くなるほど定比に近づいた.
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