研究概要 |
セラミックスおよびそれらの単結晶の破壊に伴うフォトンエミッションとエレクトロンエミッションについて検討し,破壊の素過程について考察した.以下の結論が得られた. (1)ノッチ入り試験片の3点曲げ試験行い,放出されたフォトンおよび電子の同時計測を行った. (2)フォトンエミッションのピークカウントは材料の種類に依存して大きく変化したが,その順番を材料の特性からうまく説明することはできなかった. (3)多結晶マグネシアと多結晶アルミナにおいて,フォトンエミッションのトータルカウントは粒径の影響を強く受けた.これは,粒径の変化に伴って亀裂進展経路が変化したためであった. (4)単結晶マグネシアと単結晶アルミナでは,フォトンエミッションの結晶方位依存性が認められた. (5)放出されるフォトンの波長分布を測定した結果,破壊した瞬間に紫外光あるいは紫色光が放出され,その後,赤外光あるいは赤色光がしばらく放出されることがわかった.これより,フォトンエミッションの放出メカニズムを提案した. (6)フォトンと電子の同時計測を行った結果,破壊した瞬間に電子もピークカウントを示すことがわかった.また,電子については,荷重を負荷した段階から,放出が始まり,マイクロクラッキングなどの微視的破壊が起こっていることが検出できた.
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