研究課題/領域番号 |
11650703
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
小玉 正雄 崇城大学, 工学部, 教授 (50111050)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ガラス / アルカリ金属ホウ酸塩 / 音速 / 音波吸収 / ラマン分光 / 低エネルギー励起 / ボソンピーク / 非調和振動 / ホウ酸塩異常 / 低温測定 / 弾性定数 |
研究概要 |
1.目的 ガラスは長距離秩序は持たないが、階層で区別する局所的な秩序(短距離秩序→中距離秩序→クラスター)を持つ。ガラスは結晶と比較して低エネルギー領域でのフォノンの状態密度が過剰であり、この過剰の低エネルギー励起はボソンピークと呼ばれている。この研究はアルカリ金属ホウ酸塩ガラスについて、超音波とラマン分光を用いて低エネルギー励起の起因を解明することを目的としている。 2.実験 (1)超音波測定:超音波パルスエコー重畳法による。基本共振周波数10MHzの水晶振動子を高調波励振することによって10MHz〜50MHzの周波数帯域で音速と音波吸収を測定している。極低温冷却システムを使用して4.2K〜300Kの温度範囲で超音波測定を行っている。(2)ラマン分光:アルゴンレーザーの5145Å,100mWの光をf=200mmのレンズを通して試料に照射し、散乱光はF2.5のレンズで集光している。分光は加分散型トリプルモノクロメーターを用いて分解能2cm^<-1>で行ない、散乱光はフォトンカウンティング方式で検出している。 3.結果 リチウムホウ酸塩ガラスについて得られた結果を要約する。(1)密度・熱膨張係数・音速の温度変化を測定し、非調和振動を表すGruneisen定数を決定した。(2)ボソンピークがクラスター中に励起されるフォノンの非調和振動に起因するという理論に基づいてラマン分光のボソンピークを解析し、Gruneisen定数を決定した。(3)この2つの実験から求めたGruneisen定数の組成依存性は定性的に一致した。(4)Gruneisen定数の組成依存性はガラス転移の温度幅から求めたfragilityの組成依存性と傾向が一致した。(5)ガラスを形成する液体のfragilityという概念がガラス状態にある固体の非調和振動と関連していることが判明した。
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