研究課題/領域番号 |
11650718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
関野 徹 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (20226658)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ナノコンポジット / 多機能調和型材料 / ジルコニア / 内部還元法 / 複合粉末 / 機械的性質 / 強磁性 / 応力-磁化相互作用 / 遷移金属分散 / 還元燒結法 / in-situ組織制御 / ナノ複合材料 / 繊維金属分散 / 還元焼結法 |
研究概要 |
高強度高靭性セラミックスであるジルコニアを多機能化することを目的に、ナノメーターサイズ機能性金属をマトリックス中に分散したナノコンポジットの創製を行い、ナノ組織制御のための種々のプロセス開発、組織観察、機械的性質評価ならびに磁気機能の解明を行い、以下の知見を得た。 1)酸化ニッケルや硝酸ニッケルを原料として複合粉末を作製し、還元焼結法を適用することで、ジルコニア/ニッケルナノコンポジットの作製に成功した。本材料は微量のNi分散により機械的性質が著しく改善可能なことを示すと同時に、Niの強磁性が複合材料でも保持されること、保磁力がサイズ効果によって向上すること、磁化による応力センシングが可能なことを見いだし、構造と機能の関連についての知見を得た。 2)ジルコニアに1mol%以下のNiOを固溶させた焼結体の作製に成功し、固溶により相変態能を任意に制御可能であり、この結果破壊靭性を飛躍的に改善できることを示した。これらのメカニズムを種々の方法により解明し、新たな高靭化手法を提案した。 3)上記NiO固溶ジルコニアを雰囲気制御アニールすることで、in-situにナノサイズのNiが析出したナノコンポジットを得る新たな内部還元法を提案した。極微量の添加により強磁性Niを析出させることが可能であり、かつ、固溶制御により優れた靭性を両立できることを確認した。 4)溶液化学的手法を用い、NiO-ZrO_2複合粉末作製を行い、プロセス因子と粉末および結晶構造の関連を明らかにした。これらはナノサイズで複合化したナノコンポジット粉末であり、望ましいナノ組織複合材料の出発粉末として適していることを示した。 5)以上のことから、優れた力学的性質に加え、磁気的性質をも付与した多機能調和型のセラミックス/金属ナノコンポジットが、新規なプロセスを適用することで効率的に創製可能なことを明らかにした
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