研究課題/領域番号 |
11650727
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 熊本電波工業高等専門学校 |
研究代表者 |
紫垣 一貞 (柴垣 一貞) 熊本電波工業高等専門学校, 情報通信工学科, 助教授 (50044722)
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研究分担者 |
工藤 友裕 熊本電波工業高等専門学校, 情報通信工学科, 助教授 (90225160)
葉山 清輝 熊本電波工業高等専門学校, 電子工学科, 助教授 (00238148)
大山 英典 熊本電波工業高等専門学校, 電子工学科, 教授 (80152271)
博多 哲也 熊本電波工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教授 (60237899)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | InGaAsデバイス / 高エネルギー粒子 / 宇宙空間 / 照射損傷 / 格子欠陥 / 劣化 / 熱処理 / 回復 |
研究概要 |
次世代においても使用可能な先端半導体デバイスの放射線損傷機構の解明が要求されている。本研究では、受発光波長が1.55μmである光通信用InGaAsデバイス(フォオトダイオード、レーザダイオード)や遮断周波数が100GHzであるAlGaAs系HEMT(High Electron Mobility Transitor)の照射損傷を特性劣化を解析し、また、照射後の熱処理による回復過程を調べた。 一連の研究の結果、以下のことが明らかになった。 1.InGaAsデバイスやAlGaAsデバイスの電気的特性は放射線照射により劣化するが、それは照射量の増加と共に顕著になる。また、照射後の熱処理により特性は回復し、300℃、30分の熱処理で照射前の約90%まで回復する。 2.同じ放射線源の同一照射量で比較した場合、InGaAsデバイスの方がAlGaAsデバイスに比べて損傷が少ない。これはInGaAsデバイスが耐放射線性に優れていることを示唆している。材料による損傷の差は構成原子の原子量の違いに起因すると思われる。また、InGaAsデバイスで比較しても、フォトダイオードよりHEMTの方が劣化しにくい。これは同じInGaAs系デバイスでも構造が横型でかつ多数キャリア動作の方が照射に強いことを表わしている。 3.InGaAsやAlGaAsデバイスの照射による特性劣化には2次元電子走行層中に形成されたGaに関連する複合欠陥が大きく関与しており、この格子欠陥によりキャリアである電子が捕獲され電流が減少すると考えられる。 4.デバイスやポリシリコンの特性劣化の程度は放射線の線種によって大きく異なる。損傷の程度は電子<中性子<陽子<カーボンの順序で大きくなり、カーボンのよる損傷は電子の約3桁程大きい。損傷の線源依存症は、照射粒子の質量と構成原子との衝突確率の違いから明確に説明出来る。
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