研究概要 |
本課題では,1つのモデルとして端面に3つの縁き裂が存在した場合の中央部き裂の応力拡大係数の干渉効果について線形破壊力学の立場から注目した。実験は、常温下で帯板に3縁き裂を有する場合の一様引張り実験を行い,中央縁き裂の応力拡大係数K_1の干渉効果についてコースティックス法を用い実験的に解析を行った.試験片材料には,エポキシ樹脂およびDAP樹脂(Diallyl Phthalato:以後DAP樹脂と呼ぶ)を使用した。き裂深さを一定にし,そのき裂間隔は,2mmから12mmに変化させ,この間隔がき裂干渉効果に及ぼす影響について中央き裂部に対する影響を主体的に行った.また、一様引張りを受ける複数縁き裂問題においては半無限板の実用式が報告されており,今回得られた結果を無次元化することにより実用式との比較を試みた.実験の妥当性を評価するため、J-積分により求められた応力拡大係数K_1との比較を行い検討することによりコースティックス実験の有効性を確認した.初年度の基礎資料,実験データを元に両側に6本のき裂を有する場合の干渉実験について常温状態で実験を進めた。加えてコースティックス法において重要な要素である光学定数の算出するために実験を行った。特に,熱応力を取り扱う場合に光学定数の温度依存性が問題となる。継続的,まず光学的物理定数を実験により決定した。実験材料は、アクリル樹脂、エキポシ,DAP等である。中でもDAPは安定した結果が得られた。解析対象に選んだ破壊モードはI,IIである.モードIで基本的なデータが得られたが、き裂干渉問題へと拡大し,実験解析結果の有効性をそれぞれの実験手法で調べたところ、コースティックス法ではDAP材料が最良の結果を示すことを確かめた。
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